東 榮子 [Azuma Eiko]

Azuma Eiko (1903 – 2003)

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榮子の本名を藤井昌子といふ。明治三十六年春三月十五日、東京の神田で生る。[…] 松竹に加入の前、寶塚少女歌劇に入り、關守千鳥と名乗って居った當時「花咲爺」で殿様の役に扮し、「花を咲かせて見たい」と云った台詞が朗読調子となり、キャッキャッ笑われたものである。

[…] 小山内氏の手で松竹に入り、俳優学校から研究所へと順を追ふて映画の中心人物となりその柔らかい線、オツトりとした芸風、新舞踊めいた運びが独自のものとなって新しい地歩を占むるに至つたのである。また未だこれからが花である。

『恋の亡骸』『村の祭』『路上の霊魂』等の作品に出演して居るが、まだ未だ眞固に實の有る作品の主要人物とは成つてゐないのである。

『裸にした映画女優』(1925年)

赤い唇をそらして、ややしはがれた聲でしやべると、藝者のやうだが、流す秋波には處女らしい輝きが踊る。明治三十八年三月十日神田區明神下臺所町に生る。本名は藤井昌子。佛英和女學校卒業後、寶塚少女歌劇に入って關守千鳥と云つた。松竹創立當時入社し、『光に立つ女』の月子が、彼女の初映画である。

『世界のキネマスター』(1925年)