五月 信子 [Satsuki Nobuko]

Satsuki Nobuko (1894 – 1959)

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本名前川しのぶ 明治三十一年二月埼玉縣に生る。浦和女學校卒業後、大正五年三月佐藤紅緑氏の日本劇に入り、本郷座に初舞臺、同七年松竹に入り十年五月同キネマに轉じて代表作多く乳姉妹、剃刀、嬰児殺し、茶を作る家、黄金、母等に優れたる技倆を示す。蒲田スター中最も特色ある女優として知らる。

『大正名優鑑』(『劇と映画』臨時増刊 1924年8月)

本名を前川しのぶといひ高橋義信の妻。明治三十一年埼玉縣に生る。浦和高女を卒へて新劇女優となり東京本郷座の新日本劇『虎公』に初舞臺を踏み後各地巡業、井上一派に属したこともあり又關西地方で樂天地俳優として人氣を博す。大正十年五月松竹キネマに入り初演映畫に『悪夢』を撮影『黄金』『剃刀』『二つの道』『嬰児殺し』『無花果』『灼熱の戀』等は主演の主なるもの後帝キネに轉じ『高橋お傳』を演じ最も高評を博した。次いで阪妻プロに入り『切支丹お蝶』を主演す。かの妖婦型の眼差しと引締まつた顔とは圓熟した演技と共にフアンをチヤームせずには止まない。彼の技藝は映畫に實演に行くところ可ならざるはなく眞に日本唯一のスター女優として名實共に備わつている。

『玉麗佳集』(1928年)