2019年8月、以前からの宿願であった9.5ミリ専用のテレシネ機自作に取り掛かりました。
テレシネ機自作は海外では盛んに行われており、現在では1)小型のマイコンボードを活用して複雑なプログラムを動かす、2)3Dプリンタを使って狙ったデザインに近づけていく、の二つの大きな流れが主流になってきています。
日本では8ミリ用のテレシネ機が市販されているものの戦前9.5ミリは対応しておりません。本サイトに時折投稿している動画はフラットベッドスキャナーを流用した自己流で、今回は発想を変えて映写機の一部を利用したテレシネ機に挑戦してみました。映画(Kino)へのオマージュをこめて「綺乃 九五式」と名付けます。
【開発記録】
0)概要(本ページ)
・サンプル動画『かごめかごめ』(2019年10月12日)
・第六回テスト ベータ版完成
・第五回テスト(2019年10月6日、UI動作確認)『百萬長者の娘ッ子』 [失敗]
・第四回スキャニングテスト(2019年9月29日)『隙あらば』
・第三回スキャニングテスト(2019年9月28日)『ニーベルンゲン』&『メトロポリス』独パテックス予告編
・第二回スキャニングテスト(2019年9月21日)
・第一回スキャニングテスト(2019年9月15日)
・「ラズパイ・テレシネ」システムの特徴
・「ラズパイ・フィルム・キャプチャー」システムの特徴
・「キノグラフ」の特徴
・「シネ・トゥ・ヴィド」システムの特徴
3)開発の流れ
・ラズベリーパイ3B+を手に入れる/ラズパイカメラを使ってみる(2019年8月13~17日)
・映写機を選ぶ:独ニッツオ社 HS映写機 9.5mm
・配置を決める(2019年8月24日)
・映写機の加工(シャッター羽根とベルトホイールの取り外し)(2019年8月31日)
・モーター試運転(2019年9月7日)
・10/20mリールに対応させる(2019年9月14日)
4)光学系処理
・ラズパイカメラの選択と「口径蝕」
・ラズパイカメラを工業用高性能レンズでマクロ化する(2019年9月1日)
・ディフューザーの使用(2019年9月7日)
・レンズの違いがもたらす画質の差異について(2019年9月14日)
・Enfuseアルゴリズムと深度合成(2019年9月22日)
5)駆動系処理
・モーターが動かない(2019年8月23日)
・PCから無線LANでラズベリーパイに指示を出し映写機を動かす(2019年8月24日)
・Arduino最終スケッチ
6)ネットワーク構築
・パソコンからのSSH接続(2019年8月15日)
・ラズベリーパイに外付けHDDをマウントしてNASサーバー化する(2019年8月17日)
・マルチスレッド化されたソケット通信
7)撮影トリガー制作
・リードスイッチと磁石で撮影トリガーを作る(2019年9月8日)
・配線図とプログラム
8)ユーザーインターフェイス
・OpenCVを試してみる(2019年9月11日)
・QTによるUI構築作業と挫折(2019年9月16~31日)
・KivyによるUI構築(2019年10月3~6日)
・kivyにおける「schedule」の振舞いとその対応(2019年10月7~8日)
・現時点での課題および今後実装する予定の機能