01 – 最近の自作テレシネ機について

個人による簡易テレシネにはスクリーンに映した映像をそのまま撮影する古典的方法や、 空中結像法、フラットベッドスキャナーの転用、鏡の搭載されたコンバーターを使った形、完全自作派など多くのパターンが存在しています。映写機改造型もその一つで映写機のオリジナルレンズを外し、静止したフィルムを撮影し後に動画化するものです。

近年のIT技術の発展に従いマイコンボードを使ったプログラミング制御が身近になったこと、3Dプリンタ普及で補助パーツを自作しやすくなったことでこれまでにないチャレンジが増えてくるようになりました。

一つの転換点として、2016年にオープンソースとして公開されたジョー・ハーマン氏のプロジェクト「ラズパイ・フィルム・キャプチャー」を上げることができます。

ラズパイ・フィルム・キャプチャー
ラズパイ・フィルム・キャプチャー(Githubメインページより)

Githubで公開しているのは8ミリ版ですが、ラズベリーパイの公式ブログで紹介された記事(英語)には16ミリ版の写真が掲載されていました。レンズにそのまま照明をかぶせ、ランプハウスをくり抜いてカメラを設置したものです。

16ミリ型テレシネ機(ジョー・ハーマン)

ここまでの完成度ではありませんが、映写機を改造するパターンはフランスを中心に盛んに行われています。

シネジェル9.5ミリ改造型テレシネ機
仏シネジェル社の9.5mm映写機を流用したもの(2012年、jctofさん)
エルモ社GP映写機改造型
エルモ社GP映写機改造+ラズベリーパイ(dgallandさん)
ウルティエ社8mm/9.5mm両用型改造機
仏ウルティエ社8mm/9.5mm両用型改造機(2017年、サン・オブラさん)

これらのプロジェクトは映写機の使用経験のある年配の方が中心となっています。一方では英語圏のより若い世代を中心に完全自作の流れを見て取ることができます。下の画像は2014年に公開された「キノグラフ」。

完全自作派テレシネシステム、キノグラフ
キノグラフ(2014年)

キノグラフに一部「インスパイア」される形で公開されたのが「ラズパイ・テレシネ」プロジェクト。これまで見た自作テレシネ機としては最も小型(リールを除くと25×20センチ位)にまとめた一台です。

「ラズパイ・テレシネ」プロジェクト
「ラズパイ・テレシネ」プロジェクト

やや傍系の流れとなりますが、ドイツではウォルフガング・クルツ氏がフラットベッドスキャナー+Arduinoで組んだ「シネ・トゥ・ヴィド」システムを公開しています(英語での紹介記事)。

フラットスキャナー型テレシネ機
独ウォルフガング・クルツ氏によるフラットベッドスキャナー型テレシネ機

空中結像(空中ディスプレイ)法は日本での成功例があり、またドイツのPCマガジンがすりガラスを使った例を紹介(独語)しておりました。

空中結像法(すりガラス版)
空中結像法(すりガラス版)