夏川 静江 [Natsukawa Sizue]

日本・女優 & 女優別絵葉書ギャラリーより

Natsukawa Shizue in “Jihi Shinchô” (1927) Autographed Postcard

Natsukawa Shizue Autographed Postcard


本名佐々木静江。明治四十二年、東京市麹町區に生る。父佐々木積と共に幼時より舞臺にあり、十歳の時『靑い鳥』に出演したのが成功の基となり、舞臺に出演。昭和二年日活現代劇部に入社す。近作は『結婚二重奏』『灰燼』『新家庭講座』『東京行進曲』『ふるさと』『この太陽』等々。その魅力は理智に輝く瞳と容姿。

『芝居と映画 名流花形大寫眞帖』
(1931年1月、冨士新年號附録)

現代劇女優として、あらゆる境遇の女性に扮し得る。圓熟しきつた藝だ。七歳すでに舞臺に現れ、舞臺協会時代には父佐々木積から十分の薫陶を受けた。-現代的な理性の強い女性が殊に得意である。聰明らしく曇りのない額、静かに澄み、また鋭く動く眼。輪廓の正しい容貌だ。『椿姫』『東京行進曲』『灰燼』などは彼女の代表的傑作だらう。彼女の演技には、深い自省と、それ故の統一調和がある。妖婦型の役にもいたづらな毒氣をもたず、力強く腹で行く風だ。大まかではないが技巧と工夫に富んだ藝は、今日活女優中、人氣最高點である。

『東西映画 人氣花形寫眞大鑑』
(1933年1月、冨士新年號附録)

理知的なひとみにキレイに済んだ声で語るあいくるしい彼女は、一名「シイちゃん」の愛称でスタジオマンに好かれていました。失礼ながら子役時代から身につけた演技はたしかなもので比較的悲劇調な役どころが多かった反面、当時新婚ものトリオ如月・伊奈・碧川作るところの「おお妻よ」など軽い正喜劇にもたしかな演技で当時のファン、ことに女学生ファンに大変な人気のあった方でした。

『髪と女優』(伊奈もと著、115頁、1961年、日本週報社)


[JMDb]
夏川静江

[IMDb]
Shizue Natsukawa

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