日本・女優
本名鈴木静江。明治卅九年山形市に生る。山形縣立女學校を卒業して「小笠原プロダクシヨンに入り後マキノを經て昭和二年三月松竹蒲田に入社。主として妖婦型に出演。主な近作は『愛して頂戴』『己が罪作兵衛』等。身長五尺一寸、體重十二貫。趣味は讀書、散歩、スポーツ全般。
『芝居と映画 名流花形大寫眞帖』
(1931年1月、冨士新年號附録)
小笠原プロダクシヨン、高松プロダクシヨン在所當時はいざ知らず蒲田入社以來の彼女の進歩は素敵に目醒ましい。最初、島津保次郎氏に抜擢されて「真珠」の難役蘭子を消化した時の龍田の出來は、老練島津氏のトレイニングよろしきを得た結果かとにかく豫期以上の優秀さを示してゐたので、實はフアンの方でも驚いたものであつた。それが「女の影」「戀を拾った男」「海の勇者」「モダン・ガールと村の醫者」と來るに從つて世間は最早聊かの危惧も彼女に対して抱く事を止めた。つまり龍田静枝は『物になつた』のである。
『日本映画年鑑 昭和二年昭和三年 第四年版』
(朝日出版社、1928年4月)
彼女が出現した時は、新時代のフラツパアとして、また、明る味をもつたヴアンプとして恐らく第一人者だつただらう。今こそ、やや不遇であるが、『新珠』に初演して以来、『弱き人々』の會心の作を出すまで、彼女の活躍と人氣は素晴らしかつた。
豊滿な肉體と、その外國趣味をもつ緋薔薇の如き目鼻立ち。-そしてその性質には妙に氣弱で淚もろいところがある。だから妖婦型と云つても、魔性を帯びない、どこまでも女性としての善良さをもつた役柄に適してゐる。まだまだ彼女には活躍すべき餘地がある。フアンも十分將來を期待してゐる。(松竹蒲田)
『東西映画 人氣花形寫眞大鑑』
(1933年1月、冨士新年號附録)
[JMDb]
竜田静枝
[IMDb]
Shizue Tatsuta
[出身]
日本(山形)
[生年月日]
2月11日