日本・女優 [Japanese actresses]より

榮子の本名を藤井昌子といふ。明治三十六年春三月十五日、東京の神田で生る。[…] 松竹に加入の前、寶塚少女歌劇に入り、關守千鳥と名乗って居った當時「花咲爺」で殿様の役に扮し、「花を咲かせて見たい」と云った台詞が朗読調子となり、キャッキャッ笑われたものである。
[…] 小山内氏の手で松竹に入り、俳優学校から研究所へと順を追ふて映画の中心人物となりその柔らかい線、オツトりとした芸風、新舞踊めいた運びが独自のものとなって新しい地歩を占むるに至つたのである。また未だこれからが花である。
『恋の亡骸』『村の祭』『路上の霊魂』等の作品に出演して居るが、まだ未だ眞固に實の有る作品の主要人物とは成つてゐないのである。
『裸にした映画女優』(大正14年)
[JMDb]
p0303800
[IMDb]
nm1655558
[誕生日]
3月15日