サイン館・合衆国/カナダ/オーストラリア より
「燃えさかる靑春」や「完全なフラツパー」頃を境目としてそれ以後はコリーン・ムーアは專ら喜劇に精進した。亭主にジヨン・マコーミツクを得た。必然的に人氣が出た。フラツパー卽ムーアの時代が出現した。「娘新舊兩面鏡」「思ひ叶ふて」「戀は異なもの」等の昨年の諸作品は日本のフアンにこの觀念を確然と植え付けた。然り、「フラツパー卽ムーア」は本當である。だが「霧の裏町」の彼女は何とつゝましくもゴールヰンの昔を回顧させた事だつたらう。去年の春のシーズンにこの一篇を得た吾等は依然として悲劇役者でもあり得る彼女に今更の樣に感心した事だつた。
『日本映画年鑑 昭和二年昭和三年 第四年版』
(朝日出版社、1928年4月)
切り抜きを貼った手製の台紙にサインされたもので「Sincerely」の「S」の書き出しが写真隅に微かにかぶさっています。
温かい言葉をありがとうございました。謹んで写真を送らせていただきますね。私の映画を楽しんでいただいているようでとても嬉しく思います。
『恋は異なもの』と題された作品の撮影が終わったところです。1925年10月24日サタデイ・イヴニング・ポスト紙に掲載されたブルック・ハンロンさんの短編(原題は『デリカテッセン』)を脚色した一作、すでに目を通されているかもしれません。喜劇でもホロりとする場面があります。個人的には今までで一番の出来かなと思っています。観る機会があるようでしたら感想教えてください。
今はトーマス・バークさんの原作物で、ライムハウスを舞台にした『霧の裏街』に取りかかっているところです。『おお母よ』以降で人情劇の一番大きな役をいただきました。全身全霊で取り組んでいるところです。
このまま座りながら長い手紙をかけたら本当に良いのですが…時間が許してくれません。それでもお手紙は大事に読ませていただきました。時々でもお手紙をいただけると嬉しいです。
親愛をこめて
コリーン・ムーア
1926年(昭和元年)にコリーン・ムーアからファンレター返信として送られてきたタイプ打ちの手紙。
[IMDb]
Colleen Moore
[Movie Walker]
コリーン・ムーア