日本・女優より
大林梅子は名古屋の大きな牛肉屋の愛娘、下加茂に入り、時代劇の妖婦役として鳴らした。南光明と結婚し毎年子供を産んで、今や五人の母となつてゐる。五人目をお腹に宿したとき、『所長はん、あて、また、赤ン坊を産みますねん。かう毎年では撮影にさしつかへますさかい、やめさして貰ひまつさ』と申出たので、井上所長も心よく許した。
『その代り、うちの人(南光明)を使うて下さい』
『南くんなら、赤ン坊を産まんやろ』
てンで、マキノ以来失業してゐた、夫の南をスクリーンに復活さした。
「噂のスター今何處へ?」
『最新映画大鑑』
(冨士9月號附録 1934年8月
着物姿の三人娘は向かって右が大林梅子さん、直筆サインが残されています。左の二人は河上君江さん(左)と都賀静子さん(中央)、いずれも1927~8年頃のマキノ撮影所で活躍されていました。
1928年の『浪人街 第一話 美しき獲物』で大林梅子さんは谷崎十郎に思いを寄せる女スリ師を演じ、旗本衆に捕らえられ危うく牛裂きの刑に遭わされそうになります。
設定を変更して製作された翌年の『浪人街 第二話 楽屋風呂』にも出演、今度は守銭奴風の悪女を演じていました。
[JMDb]
大林梅子
[IMDb]
Umeko Ôbayashi