「国別サインリスト 合衆国・カナダ・オーストラリア [USA/Canada/Australia]」より
1920から30年代のハリウッド作品には女性の自己主張が強くなった社会を反映したものが多く見られます。痴話喧嘩の末、クラーク・ゲーブルをグーで殴り飛ばすバーバラ・スタンウィック(『ナイト・ナース』1931年)などがその典型で、20年前は想像できなかった女性がスクリーンに登場してくるのです。
一方ではそういった強さへの疲れと反動の動きもあって、小柄で愛嬌ある妹タイプの女優さんが目立つようになったのも同時期でした。『第七天国』(1927年)でのジャネット・ゲイナーがその筆頭で、今回のナンシー・キャロルもその流れに位置づけられるのではないかと思われます。
サイレントがトーキーへと移り変わる端境期に現れ、スポーティーで快活なキャラが人気となり、30年代終わりまでトップ女優と思われます。
今回入手したのは1928年作品(『アビーの白薔薇』)の雑誌切り抜きを台紙に貼付けた一枚。名前が知れ渡り始めた頃の初期のサインがほどこされています。
[IMDB]
nm0007216
[誕生日]
11月19日
[出身]
米国
[コンディション]
B