東亞キネマ サイン帖より
本名は松本米三、明治三十四年五月十六日東京市向島須崎に生る。幼少から芝居ごとが好きで築地工手學校の豫科を出るとゝもに佐藤紅綠氏の日本座に加はり、北海道巴座にて初舞臺を踏み、地方巡業後淺草の觀音劇場、御國座に加はり、後に新日本劇團にも加はる。大正十三年四月帝キネ蘆屋に入社し、「男の嫉妬」「一躍大家」「乙女心」「青年萬歳」「沈黙の人」「嵐の夜曲」等の數十本に二枚目として活躍す、昭和三年河合プロ創立と共に入社し、「煩悶金さん」「出世事件」「與へよ榮冠」「のばな火ばな」等に出演す。住居は東京市下池袋中原一二八一松本方。
『日本映畫俳優名鑑』(1928年7月、映畫世界社)
ユーモラスなイラストを残しているのは、東亜キネマの現代劇部門で一番人気の青年俳優だった里見明さん。
1923年、若くして澤蘭子と共演した小唄映画『篭の鳥』が爆発的なヒットとなり帝キネのトップ男優となります。1929年に東亜に入社してもシリアスな現代劇と軽喜劇とを演じ分けていきました。その後東活から右太プロへと流れていき、1934年の結婚を機に俳優業から足を洗っています。
[JMDb]
里見明
[IMDb]
Akira Satom