「阪東妻三郎関連」より
阪東妻三郎、1925年の出世作『雄呂血』(おろち)の人気を受け同年末に公開されたのが『魔保露詩』(まぼろし)。フィルムが現存しておらず当時のパンフレットなど断片情報が残るのみ…と思っていたところ偶然に1926年の小説版を発見しました。
市中で見つけた父の仇の命を助けた主人公が、その果てに辿りついた凄惨な運命を描いた一作。阪妻初期作にしばしば指摘される虚無感、反権力の要素を小説にも見て取ることができます。
紙の一部がインク印刷の部分だけくり貫いたように消え失せているなど、紙質による特殊な劣化が見られます。
[出版者]
明文館書店
[出版年]
1926年
[定価]
25銭
[フォーマット]
10.6×14.5センチ、136ページ。口絵4ページ。