「戦前・戦中 髙島栄一・康彰氏旧蔵の葉書群」より

私は此の人の、あく事なき魂に理智に輝いた眸の色に視入る時、恋の霊魂と化したあの静御前の姿が忍ばれてならない。
「佳人佳語」
(美町淑夫『うづまさ』1927年9月号)
最後の出演作となった『坂本龍馬』(昭和3年5月公開)の後に送られた暑中見舞い葉書。表裏で質の違う特殊な紙を使っていて、宛名面「郵便はがき」が手書きとなっています。
同年初頭の年賀状では「病」について触れています。髙島氏が病後を尋ねたのではないかと思われ、それに対して「早速お訊ねを頂きまして恐縮し存じ上げました。私恙なく過して居ります」と返事している内容です。
昭和元年〜2年にかけて人気が出てきたところで1926年8月『キネマ』誌の人気投票中間報告でも25位(女優では11位)になっていました。
[サイズ]
8.9 × 14.0cm
[データ]
髙島栄一氏宛、昭和3年8月18日東淀川の消印有。