フィア・エーマンス旧蔵サインコレクション より
母親が画家、祖父が歌手という芸術家一家の環境に育ち、本人も早くから絵画や音楽の世界を志しています。1919年、当時人気のあった監督ジークフリート・デサウァーの目に留まり『愛の子』で女優デビュー、映画スタジオを立ち上げたばかりのムルナウが監督デビュー作『青衣の少年』と次作『サタン』でヒロインに起用して名前が知られるようになりました。
1920~22年がキャリアのピークでディミトリー・ブコエツキーやウアバン・ガーズ、フランツ・ホーファ作品の主演を歴任していきました。この頃の作品でオランダの映画社で撮った『アレクサンドラ』(1922年)が現存しており、同国の映像資料館オンライン・アーカイヴEYEで公開されています。
20年代中盤に出演作が減っていき27年を最後に映画界を引退。家系にユダヤの血が多く流れていたため目立った活動が出来なくなりました。旦那さんがナチスお抱えの建築家だったため収容所には送られず済んだようです。
絵葉書には「エーマンス嬢へ、マルギット・バルナイより親愛をこめて」の宛名入りメッセージが付されています。
[IMDb]
Margit Barnay
[Movie Walker]
マルギット・バルナイ