1917-22 忘れじの独り花(23)テア・ザンドテン Thea Sandten (1884 – 1943) 独

フィア・エーマンス旧蔵サインコレクション より

Thea Sandten 1919 Autographed Postcard
Thea Sandten 1919 Autographed Postcard

1912年に女優デビュー、独ミュートスコープ、独ビオスコープ、独ヴィタグラフ社、伊ミラノ社、エイコ映画社など多くの映画会社で主演、助演のキャリアを積み重ねていきました。現存作品の一つが『ホフマン物語』(1916年、リヒャルト・オズヴァルト監督)で、三部構成の第二部でヒロインのジュリエッタを演じています。

Thea Sandten in Hoffmanns Erzählungen (1916)
1916年『ホフマン物語』(Hoffmanns Erzählungen)より

また2017年に発売された4枚組DVDセット『カフカ、映画に行く(Kafka geht ins Kino)』で『テオドール・ケルナー』(1914年)を見ることができるようになりました。『カフカ、映画に行く』は古くから有名な研究書で、作家の手紙や日記から当時見ていた映画を特定し、カフカ小説への影響を論じた書籍です。DVDはカフカが見た映画で現存作品を集めた内容です。

テアさんは『テオドール・ケルナー』で主人公の詩人の妻となる女性を演じていました。格別演技が上手い訳ではないのですが、大きな目鼻立ちを一杯に使ってみずみずしい感情表現に成功しています。

Thea Sandten in Theodor Körner
『テオドール・ケルナー』(1914年)より

その後自身の映画会社を設立するも大きな話題となることはなく20年代になって忘れられていきます。1930年代末、3度目の結婚の相手は自身と同じユダヤの血が流れた男性でした。ベルリンにとどまり続けた夫婦は迫害の対象となり、1942年末にアウシュビッツに送られ翌年冒頭に殺害されています。

[IMDb]
Thea Sandten

[Movie Walker]


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