岩田 祐吉 [Iwata Yûkichi]

日本・男優より

Iwata Yukichi Autographed Postcard
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>深刻な藝風は當代その比を見ない。性格俳優としてフアンの人氣を一身に集めてゐる。人情物、悲劇物が得意と共に、叉喜劇物の主人公をもやりこなせる人だ。先づ外國の俳優と比べても恥ずかしくない人だらう。松竹入社は大正九年六月趣味は讀書、素人寫眞。

『世界のキネマスター』 (1925年5月、報知新聞社出版部)


明治廿年三月岐阜縣大垣市で生る。廿一歳の時河合武雄の門に入り新派俳優として各地に巡業したことあり、大正九年六月松竹キネマ創設と共に映畫界に入り現に蒲田の古参の大幹部として重きを爲す。『奉仕のばら』が初演で爾来『妖女の舞』『一太郎やい』『船頭小唄』『父』『黑川博士』『虹晴』『乃木將軍』『廣瀬中佐』等枚挙に遑がない。最近では『久遠の像』『人生の浪』等の主演がある。性格俳優として益々老熟の演技を見せフアンの人氣がある。

『玉麗佳集』(1928年2月、中央書院)


明治二十年三月二十三日大垣市田町一〇五一の呉服店の伜として生る。郷里の中學校を卒業するや俳優になりたくて矢も楯もたまらず、上京して故藤澤幾次郎を校長とせる俳優學校が丁度設立の折柄なので直に入學し勉強の甲斐ありて勝見庸太郎等と共に卒業。後河合武雄の門弟となり各座に出演する。何事にも熱心の効にて歌舞伎座に演ぜられし新派大合同一座の大舞臺に幹部に迄列せられもしたこともある。大正九年六月三日松竹キネマ蒲田スタヂオ創立と共に入社し現在まで數年間のあひだあらゆる辛酸をもこらへて來たのである。主演映畫は數知れずなれども主なるものに「奉仕の薔薇」(處女作品)「虞美人草」「不如帰」「永遠の心」「不滅の愛」「お坊ちゃん」等がある。趣味は繪と讀書。住居は東京府下北多摩郡砧村奈根上の臺八二五。

『日本映畫俳優名鑑』(1928年7月、映畫世界社)


本名岩田祐吉明治廿年大垣市に生る。郷里の中學校竝びに藤澤幾次郎經營の俳優學校を卒業。初め河合武雄の門に入り大正九年蒲田撮影所創立と共に入社。主な近作は「棘の樂園」「3善人」「レヴユーの姉妹」「父」等。身長五尺三寸八分、體重十四貫八百目。趣味は讀書、園藝。

『芝居と映画 名流花形大寫眞帖』 (1931年1月、冨士新年號附録)


[JMDb]
岩田祐吉

[IMDb]
Yûkichi Iwata

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