
リア・イエンデ嬢は映画の空に輝き始めた新星のひとつである。若く魅力的なこのアーティストは元は踊り子で、英国や佛国、独逸を巡業し至るところで大きな成功を収めた。とりわけポワントでの踊りは達人並で、嬢の案出せる舞踏場面は得も言われぬ魅力がある。舞台の彼女から流れるような何かを感じ取らずにはいられないのである。
最近さらに多くの映画に出演するようになっていて、ハンス・アルベルスと共演した六部作の冒険譚『君主論』やブルーノ・ケストナーとの共演になるドラマや喜劇、『晩御飯だけよ』『ロス・クエロスの雑貨店』で姿を見ることができる。
Ria Jende gehört zu den neuen Sternen am Filmhimmel. Die junge liebreizende Künstlerin war unsprünglich Tänzerin, sie bereiste Engand, Frankreich, Deutschland und hatte überall größe Erfolge zu verzeichnen. Sie beherrschte besonders die Kunst des Fußspitzentanzes, und die Tanzschöpfungen, die sie bot, waren von ganz eigenartigem Reiz; man fühlte, von dieser schönen Frau auf der Bühne ging ein gewisses Fluidum aus […].
In rascher reihenfolge spielt sie dann in einer Anzahl Films, so in dem sechsteligen Abenteurerfilm “Der Fürst” mit Hans Albers, in einigen Dramen und Lustspielen mit Bruno Kastner “Nur ein Diener” und die “Bodega von Los Guerros”[…].
第一次大戦終戦後に人気のあった女優さん。当初は老舗メスター社(UFAの基になった映画社のひとつ)のヴィゴ・ラーセン監督作品やシュテルン社のE・A・デュポン初期作に多く出演していました。このうちミステリー作品『アメリカ波止場の秘密』(Das Geheimnis des Amerika-Docks、1919年)が現存しています。


(Zappelnde Leinwand, No. 11, 1921)
自身の名を冠したリア・イエンデ映画社を設立する一方、引用記事にあったハンス・アルベルス共演などで勢いをつけますが1922年には映画界を引退。1927年の文芸誌で「リア・イエンデは結婚して女優キャリアに終止符を打った」と言及されているのを最後に以後の消息が分からなくなっています。
1919年に出版された『活動写真(キノ)』(マックス・プレルス著)ではステラ・ハルフと並んで大きな扱いを受けていて、この時期のドイツB級映画の女王と呼べそうな面白い立ち位置を占めていたのが分かります。
[IMDb]
Ria Jende
[Movie Walker]
リア・イエンデ
[出身地]
ベルギー(ブリュッセル)
[誕生日]
10月29日
[データ]
[Verlag Ross, Berlin SW 68, 365/1. phot. Binder].
8.5 × 13.3cm