「阪東妻三郎関連」 & 「8ミリ 劇映画」より
別投稿で紹介した8ミリ版『旗本退屈男』と同じ出所のフィルムで、傅次郎・阪妻・長二郎・嵐寛・千恵蔵の剣戟を中心にした編集版。80年代にVHSで市販されていた『活弁トーキー版 乱闘場面集』の原型のような内容となっています。今回は全体の2/3程に当たる大河内と阪妻の登場場面を紹介。
『素浪人忠弥』(伊藤大輔、1928年)より。右から二枚目に山田五十鈴
『薩摩飛脚 東海篇』(伊藤大輔、1932年)より
『丹下左膳 日光の巻』(渡辺邦男、1936年)より。右上に高津愛子
『血煙高田馬場』(伊藤大輔、1928年)より。右から二枚目に市川春衛
鬼気迫る『素浪人忠弥』からスタイリッシュな『薩摩飛脚』(山中貞雄監督の剣光愛欲篇とされていますが実際は前年の伊藤監督・東海篇のようです)を挟み、代表作の丹下左膳へ。
『血煙高田馬場』は殺陣の組み立て方だけではなくやじ馬連中たちの表情の切り返しが見事です。日活の老け役として活躍された市川春衛さんが飲み屋の「お勘婆」役で良い味を出しています。
『かまいたち』(東隆史、1932年)より。右から二枚目に環光子
阪妻名場面集ではコントラストの効いた『かまいたち』が目を引きます。阪妻プロで短期間ヒロインを務めた環光子さんの妖艶さよ。
『阪本竜馬』は寺田屋襲撃場面。乱闘は9.5ミリ版より若干尺が長く近藤勇との対決の前の場面が含まれています。殺陣を最小限に抑えた9.5ミリ版編集が独特だったのかな、など比べていくと色々考えさせられます。
『坂本竜馬』(枝正義郎、1928年)より。一番左森静子
情報の正確さやコンテンツの豊さでVHS版に軍配が上がるものの、コマ単位で見えてくる発見があるのが良いですね。
大河内傅次郎場面集
・血煙荒神山
・素浪人忠弥
・薩摩飛脚
・丹下左膳 日光の巻
・水戸黄門 来国次の巻
・血煙高田馬場
阪東妻三郎場面集
・燃える冨士
・かまいたち
・開化異相
・坂本竜馬
林長二郎傑作集
・辨天小僧
・侠客春雨傘
・雪之丞変化
・旅の陽炎
・喧嘩鳶
・鳥辺山心中
嵐寛寿郎傑作集
・鞍馬天狗
・右門一番手柄 南蛮幽霊
・鞍馬天狗 江戸日記
片岡千恵蔵
・放浪三昧
[フォーマット]
スーパー8 白黒 無声 1200ft
提供:マツダ映画社
編集:村上プロダクション