「国別サインリスト 北欧諸国 [Nordic Countries]」より
20世紀初頭のスウェーデン演劇を代表する性格俳優の一人。
1890年頃から舞台俳優のキャリアを積み始め、世紀末のロマン主義の理想と合致した愁いある美青年役(1899年のストリンドベリ原作『エリク14世』など)で人気を博しました。
1920年代以降人気に陰りが見え始める中で今度は確実な演技力を備えた老け役として若手を支える側に回っていきます。1907年と1912年に『ヨハン・ウルフシェーナ』を舞台化した際は愛国主義者のヘルゲ役で、30年代に再度同作に出演した際は息子をかばう父ヨハンを担当、といった具合です。
映画界参入の第一歩はスティッレル監督の『エロティコン』でした。
同作でアンデシュが演じたのは学究肌の昆虫学者。特に前半は空気の読めない、冴えない中年振りが強調されています。トーラ・テイエとカリン・モランデルとの絡みの場面では、女性陣がバチバチ火花を飛ばしているのに全く気づかない鈍感さで思わず微笑みが漏れます。この「ボケ具合」そのものが緻密に計算されたものでさすが一時代を築いただけある渋い演技でした。
サイン絵葉書は1911年に上演されたアルイド・ヤルネフェルト原作作品『ティトゥス』で皇帝役を演じた際の一枚です。
[IMDb]
Anders de Wahl
[Movie Walker]
–
[出身地]
スウェーデン(ストックホルム)
[誕生日]
2月9日
[撮影]
Foto. Hofatelier Jaeger 1911
[データ]
87 Ensamätt : Axel Eliassons Konstförlag, Stockholm
[サイズ]
8.6 × 13.7 cm