映写機を改造してフィルムスキャナーに転用する際の難関の一つがシャッター羽根の取り外しです。
16~24コマ毎秒の映写ではちらつき(フリッカー)が発生するためシャッター羽根で明暗を交互させ、三枚羽根の場合は毎秒48~72回にまで明滅の頻度を上げると人の目が「ちらつきのない流れる映像」と認識するようになります。
テレシネ時に羽根が映りこんでしまうのは困ります。自力で取り外さなくてはいけません。
戦後の映写機のように羽根がしっかり組みこまれていて取り外しの効かないタイプだったり、手の届きにくい位置にあったりだと苦労します。ニッツォHS型はその点作りがシンプルで作業しやすかったです。
1) 映写機パーツの背面。中にシャッター羽根が格納されています。
2) 左上ネジを緩めるとカバーが20度ほど開きます。これ以上は開かない仕様でした。
3) カバーの付け根にある二つのビスを外します。
4) シャッター羽根がむき出しになります。
5) 固定しているビスを外していきます。
6) シャッター羽根を外すことができました。細い管が通っていて、注油した油がギアに流れるようになっています。油が届かない部分もあったため、清掃と注油を行います。
7) 外した羽根は個別のシリアル入り。また何かの機会に戻す可能性があるのでビスと一緒に小袋に入れて保管します。
次に金属製ベルトホイールを交換していきます。
モーターからの動力を本体に伝える部分です。小さなマイナスネジで留めてあるので外していきます
外れました…が、ひどく錆びていて用意した5ミリ軸用の金具がはまりません。
軸全体を研磨。
幅11ミリ、20歯、軸径5ミリの金具(タイミングプーリー)を固定します。
仮置きした状態。ステッピングモーターにも同サイズのタイミングプーリーを取り付けてあります。両者をベルト周50センチの歯付ゴムベルト(タイミングベルト)でつなげる予定です。