フィルム館・9.5ミリ (英パテスコープ) & 映画史の館・ドイツより

Cinderella (Der verlorene Schuh, UFA/Decla-Bioscop AG, dir/Ludwig Berger)
1930s UK Pathescope 9.5mm Print
ドイツ映画が存在感を増し始めた1920年代初頭に制作されたUFA社版のシンデレラ。プロデューサーはエリッヒ・ポマー。後に『ワルツの夢』(1925年)や『ワルツ合戦』など軽快な宮廷コメディを残すルートヴィヒ・ベルガー監督の手によるものです。
ヒロインに北欧出身の新進女優ヘルガ・トーマス、王子役に美男俳優パウル・ハルトマン、意地悪な義姉にロシア生まれのオルガ・チェーホワ等を配し、良く知られた物語に多少のアレンジを加えながら軽やかに展開していきます。
9.5ミリ小型映画市場では子供の重要性が高く、御伽噺が受け入れられやすい環境があったからこそカタログに組みこまれたと思われるのですが、丁寧な作りこみは大人の視聴にも十分耐えうるものです。途中何度か屋外ロケで撮影された場面があって、自然光の美しさも相まって1910年代の映画の雰囲気が残っている辺りがとても気に入っています。
[Movie Walker]
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[IMDb]
Der verlorene Schuh