大正元年ごろ 『テルトル広場』 モーリス・トゥルヌール(Maurice Tourneur、1873-1961)作画

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Place du Tertre [Maurice Tourneur, c1910]

戦前フランス、そしてある時期のハリウッドを代表するモーリス・トゥルヌールが初の監督作を発表したのは1913年のことでした。映画作りのコツを早くからつかみとっていたトゥルヌールはすぐに頭角を現し、翌年からハリウッドに移り秀作を生み出していきます。『青い鳥』(1919年)から『宝島』(1919年)、『モヒカン族の最後』(1920年)と現在でも知られている作品が並びますが、それ以前の『トリルビー』や『願いの輪』ですでに際立った語り口、映像美を展開していました。

トゥルヌールの伝記では若い頃に画家を志していた話が触れられています。当時の活動はほとんど知られておらず、彫刻家ロダンの助手をしていたなど幾つかのエピソード紹介程度で済まされるのが常でした。

今回発見したのは監督としてのデビュー以前にトゥルヌールが残した多色刷りの水彩版画です。サイズは縦16×横22センチ、余白を含めると25×30センチ程になります。左上に作品名「テルトル広場(Place du Tertre)」、右下に同一筆跡で作者名(M Tourneur)の書きこみがあります。

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画家として大成したわけではないためトゥルヌールの絵画についてはカタログなどは残っておりません。それでも一点、作曲家ベルリオーズを扱った英語サイトで生家の変遷を追った資料の一つにトゥルヌールのリトグラフが挙げられていました。左上に作品名、右下に作者名の配置、筆跡も同じであるため画家本人が自筆サインしたと断定して良いと思われます。

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ベルリオーズ生家はパリのモンマルトルにあり、テルトル広場もそのすぐ近くに位置しています。町並は今でもほとんど変わっていません。この広場は画家の卵たちが集まる界隈となっていて、無名時代のトゥルヌールがそういった仲間たちと並んで絵を描き、自作を売っていた風景が甦ってきます。

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同一アングルから見た現在のテルトル広場
(グーグルマップより。2015年6月撮影

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