秘宝館 & サイン館・合衆国/カナダ/オーストラリア より
モード・ファーリー嬢は1886年の3月4日、テネシー州メンフィスで生れた。母マーガレットは18年の舞台経験を持ち、現在はコロラド州デンバーのテイバー演劇学校を運営している。ファーリー嬢は4才の時、母がヒロインを演じた『ファウストとマーガレット』で初舞台を踏んだ。母親の学校で学びながら、『蛾』ではヴェラを演じ、『ロミオとジュリエット』のジュリエットに扮し、『ピグマリオンとガラテア』のガラテア役、『嵐の孤児』のルイーズ、『愛しいキャスリーン』のキャスリーンを演じた。
『舞台著名人録』
ウォルター・ブラウニー、1906年
FEALY, MISS MAUDE, actress, was bom in Memphis, Tenn., March 4, 1886. Her mother, Margaret Fealy, was on the stage for eighteen years, and now conducts the Tabor School of Acting at Denver, Col. Miss Fealy first appeared on the stage at the age of four in the tableau of “Faust and Marguerite,” her mother playing Marguerite. As a pupil of her mother’s school Miss Fealy appeared in public as Vera, in “Moths”; Juliet, in “Romeo and Juliet”; Galatea, in “Pygmalion and Galatea”; Louise, in “The Two Orphans”; in “Sweet Lavender,” and as Kathleen, in “Mavourneen.”
Who’s who on the stage;
the dramatic reference book and biographic al dictionary of the theatre
Walter Browne and F. A. Austin (1906, New York)
1900年代の合衆国でとても人気のあった舞台女優さん。
主たる活動拠点は舞台ながら映画とも接点を持ち、1911年に米タンホイザー社と契約しスクリーンデビュー。1913年公開の『ルネ王の娘(King Rene’s Daughter [YouTube])』を見るとナオミ・チルダースやマルヴィーナ・ロングフェローに近い、どこか野生の土臭さを残した米正統派の美女だと分かります。タンホイザー社との契約は1914年で切れたもののその後も舞台とスクリーンを行き来し、1930年以降はデミル作品を中心に脇役として姿を見せていました。




今回ご紹介するのはキャリア初期に撮影された写真です。額を含めると結構な大きさ(縦41×横37センチ)。裏側には「1904年頃撮影の手彩色生写真」の説明と飾ってあった場所(英マンチェスターのグレシャン通り)が明記されています。額縁はおそらく戦後のもので手彫りのしっかりした作り。
撮影者は不明。モード・ファーリーは早くからイギリスに進出しており、写真もイギリスで撮られたものではないかと考えています。写真裏にヒントがありそうな気がするのですが、裏蓋をテープで留めてあるため触らないことにしました。
ほぼ同時期の絵葉書。モード・ファーリーの一般的なイメージはこちらなのかな、と。髪を胸元まで下ろしたイメージが強いため、今回の写真のようにアップにすると雰囲気が変わります。
写真とは別ルートで手に入れたリーフカット・オートグラフ。サイズは約5×9センチ。数字の「3」を左右反転させた小文字「e」に特徴あり。
[IMDb]
Maude Fealy
[Movie Walker]
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[データ]
41 × 37 cm(額縁含む、写真は25×19センチ程度)