








メキシコとの国境に近い町を保安官たちが守つていた。隊長の一人娘エレン(ポーリーン・カーリー)は若手保安官のチャック(レオ・Ⅾ・マロニー)に好意を寄せているが、奥手な青年は靡いてくれずヤキモキしている。ある日、町に瀟洒な身なりの男性がやつてきた。話を聞くと芸術家だという。エレンは男の車に同乗してチャック青年を嫉妬させようと試みる。青年は楽し気な二人の姿を見て落ちこむのであつた。











折しも隊長のもとに連絡がはいった。「ハンチング帽姿の男に気をつけろ」。芸術家と名乗つた男は荒くれ者のリーダーであった。そうと知らぬエレンは電話での男のやりとりを聞いてしまう。「お前さん、聞いていたな」、本性を現した男がエレンに襲いかかる。チャック青年が二人の争う物音を聞きつけ駆け寄るが、油断した一瞬の隙を突かれ椅子で打ちのめされてしまう。エレンは馬で逃れるが男は自動車で猛追してくる。はてさて、エレン嬢の命運や如何に。
米キャッスル社が1940年代に販売していた8ミリ版の西部劇で、B級西部劇俳優のレオ・Ⅾ・マロニーを主演にした一作。紫色に染められたコダック・プリントの映像がとても綺麗。
ヒロインの危地を救うため主人公の保安官が奮闘するありがちな設定ですが、マロニーの見せ場があまりなく物語はヒロインのエレン(ポーリーン・カーリー、以前にサイン物を一枚紹介済)を中心に回っていきます。縦ロール女子がリボルバーを振りかざして悪漢を威嚇する展開は胸が熱くなるものがあります。
1920年代、レオ・Ⅾ・マロニーは監督のフォード・ビーブ(後に『フラッシュ・ゴードン』連作で名を上げます)と組んで「レオビー映画制作会社」を立ち上げました。米国内配給をパテ・エクスチェンジ社が行っていたこともあり、レオビー社作品は1920年代後半に9.5ミリフィルム形式でも発売されています。『国境の掟』も米パテックス9.5ミリ版があるようでいつかキャッスル版と比較出来たら良いと思っています。
[原題]
Border Law
[IMDb]
Border Law
[公開]
1923年1月21日
[メーカー名]
米キャッスル映画社
[8ミリ版発売]
1940年代(1942年説あり)
[フォーマット]
スタンダード8、60メートル×1巻、紫染色コダック・プリント、無声