先日入手した現像用ロモタンクで9.5ミリフィルムを巻き取る練習をしてみました。使用したのは5~6メートル程の何も映っていない透明フィルム。
リールの上部を外してから本体中央部の「く」の字型窪みにフィルムを押しこみ、フィルムの端を折りこんで固定します。
リールの上部を戻してつまみ付きの軸で固定していきます。きつく締めすぎるとフィルムが挟まった状態となり巻けなくなってしまうので若干遊ばせる位が良いようです。ワッシャーを噛ませようとしたところ穴が大きすぎて断念。厚みの微調整もあるため3Dプリンタで補助部品を自作した方が早そう。
軽く斜めに倒したフィルムの張りを確認しながら独楽のようにつまみをクルクル回していきます。
9.5ミリフィルムが溝に収まり、等間隔の螺旋を描いているのが分かります。
本番ではこの一連の作業を完全な暗室(またはダークバック内)で行わなければいけません。一発で成功させる自信はないので慣れるまで練習を繰り返してみます。
一方で薬品類一式が揃いました。
今回現像に挑戦する9.5ミリ動画フィルムは「ネガ」が存在せず、フィルムそのものが現像後にポジとして仕上がってくる「白黒リバーサルフィルム」です。9.5ミリ形式だからと言って、あるいはパテ社製だからといって特別な配合や処理が必要な訳ではなく、現在でも行われている標準の白黒リバーサルフィルム現像法で対応することができます。
とはいえ標準の白黒リバーサルフィルム現像そのものに特殊な薬剤や流れが含まれています。『シネ・ハンドブック』『パテーの自家現像』(いずれも1930年刊)を元にしつつ、オンライン情報を参考にしながら次の手順で処理していくことに決めました。
1)第一現像 [7〜10分] 20±0.5℃
2)停止浴 [3分]
3)漂白 [3〜4分] 20±0.5℃
4)水洗 [2分]
5)洗浄 [3分]
6)水洗 [2分]
7)第二露光 [100wの白色灯で1分]
8)第二現像 [5分] 20±0.5℃
9)水洗[2分]
10)定着 [3分]
11)水洗 [10〜15分]
12)水切りと乾燥
使用する薬品は以下のとおり:
1)第一現像液(first developer)
ハイドロキノン、亜硫酸ソーダ、炭酸ソーダ、ブロムカリをベースとした自家配合
- A液
- ハイドロキノン 25g
- 亜硫酸ソーダ 100g
- 炭酸ソーダ 25g
- 水 1000cc
- B液
- ブロムカリ 25g
- 水 1000cc
※ A液150g + b液150gを使用
2)停止浴用(stop bath)
醋酸をベースとした自家配合
- 酢酸 5ml
- 水 1000ml
3)漂白液(bleach)
- 二クロム酸カリウム 5.0g
- 硫酸 10ml
- 水 1000ml
5)洗浄液(clearing bath)
- ピロ亜硫酸カリウム 50g
- 水 1000ml
8)第二現像液(second developer)
第一現像液と共通
10)定着液(fixer)
- チオ硫酸ナトリウム五水和物 250g
- ピロ亜硫酸カリウム 25g
- 水 1000ml
12)水切り材
ドライウェル希釈
ヨドバシカメラで購入できる薬品で対応できるだろうと考えていたところ3)漂白液と5)洗浄液でつまづきました。結局チェコFoma社のR100現像キットを手配。ところが輸送途中に行方不明になり到着まで一ヶ月要しました。
ツールは揃ったので巻取りの練習を何回か行ってから先日撮影したフィルム現像を行ってみます。