1920年代後半、芝区の桜田本郷にあった三友商会が仏パテ社9.5ミリフィルムを輸入し各地の業者に卸していた際のカタログ。
リストは1番から始まり1050番位まで欠けの少ない形で続いていきます。タイトルの左に「×」印の付されたものは輸入予定の無い作品。時事ニュースや仏国の内政に関わるフィルムなどはこの時点で輸入予定から外されています。






裏表紙の見返しにフィルムと映写機(パテベビーD型とPB-Ex型)の定価、送料が記されています。10メートルフィルム一本の定価は2円50銭、箱入りD型映写機が250円(物価指数の差を考慮すると現在の15万円強に相当)でした。目録の発行年が明記されていないのですが120メートルリール作品が載っていないため1927~28年頃でしょうか。
戦前9.5ミリフィルムのリストは後年のものになるに従い絶版・入手不能な初期作欠番が多くなります(=連番が歯抜けになる)。三友商会版はこの欠けが少なく、輸入しない作品まで邦題を付している勝れ物でした。