1921 – 9.5mm 『僧侶の特権なしに』(ジェームズ・ヤング監督、ボリス・カーロフ他出演) 米パテックス版

9.5ミリ 劇映画より

« Without Benefit of Clergy » (1921, Pathex Exchange, dir/James Young)
Late 1920s US Pathex 9.5mm Print

英領印度の街にアミーラという十六才の少女が住んでいた。家は貧しく、母親は返せなくなつた借金のかたに娘を売り渡そうとする。「豊かな生活をさせてくれる男がお前さんを待っているよ」、その言葉を信じて金貸しの家に向ったアミーラを待っていたのは貪欲な欲望に目を輝かせた薄汚い老人だった。

騙されたと知り、手を振り払つて逃げ出した女。騒動に気づいた通りがかりの英国人の青年技師ホールデンが仲裁に入る。助けられたアミーラの目にはホールデンが神様に見えた。青年もまたアミーラの心の美しさに引かれていく。ホールデンは市街地の一角に豪華な家を建て、アミーラをそこに住まわせるのであつた。

トウタという息子も得て、教会によって祝福はされなくとも二人の結婚生活は幸せに続いていた。だがそんな折に町を襲ったのがコレラの流行であつた。ホールデンが赴任先から戻ると罹患したトウタはすでに息を引き取ったところだつた。

町全体が病魔に侵され、通りには死者が倒れてゐる。妻の身を案じたホールデンは「丘の上に隔離された清潔な一角がある」とアミーラを連れて行こうとするが女は白人女たちの元に身を寄せることはできない、と断るのであつた…

文芸作家キプリングの短編を映像化したもので、英国領インド(現パキスタン)の街ラホーレを舞台とし現地の貧しい娘と英国人技師の悲恋を描いた内容。ヒロインを演じたヴァージニア・ブラウン・フェアーはユニヴァーサル社が発掘、西部劇を中心に売り出し中の新進女優でした。

植民地主義型のメロドラマでいかにも欧米圏から捉えた感じのステレオタイプな描写が多く見られます。さらに原作を忠実に再現しようとしすぎて映画そのものの流れが良くない個所も多々見られます。一方では異人種・異教徒間の恋愛の困難さ、格差社会、女性の性的搾取など原作の提起していた問題も描かれていました。

Boris Karloff as Ahmed (right)

また本作は『フランケンシュタイン』の主演俳優ボリス・カーロフの初期作品の一つでもあります。同氏は本作では英国人技師ホールデンに使えるインド人従者アフメドを演じていました。

本作は16ミリや35ミリでの保管記録や上映記録がなくソフト化もされてこなかった珍しい作品。米パテックス・エクスチェンジ社が公開した経緯から9.5ミリのカタログに含まれています。デビュー間もないヴァージニア・ブラウン・フェアー、ボリス・カーロフの姿を見れただけでも探し出した価値はあったかな、と。

[IMDb]
Without Benefit of Clergy

[Movie Walker]
僧侶の特権なしに

[公開]
1921年6月19日

[9.5ミリ版]
米パテックス版

[カタログ番号]
D25

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