映写機用レンズの肖像 [03]: 仏パテ社 リュクス映写機用スタンダードレンズ

Pathé Lux Projector Standard Lens F=32mm (Early 1930s)

レンズ名メーカー名製造国焦点距離F値使用映写機製作時期レンズタイプレンズ構成長さ(鏡胴含む)外径(鏡胴含む)
パテ・リュクス映写機 スタンダードレンズ仏パテ社フランス32mm不明パテリュクス映写機1930年代前半ペッツバール型3群4枚40.030.0
前玉タイプ前玉外径前玉厚みスペーサー(間隔環)中玉タイプ中玉外径中玉厚みスペーサー(間隔環)後玉タイプ後玉外径後玉厚み
凸凹ダブレット15.65.7510.0メニスカス15.35.350.515.12.9

仏パテ社の初期カタログで「焦点距離32ミリの標準レンズ(Objectif ordinaire foyer 32mm)」と記載されているもので、30年代初頭のパテ・リュクス映写機に標準装備されていたもの。単品での市販はしておらずカタログ番号はありません。

パテベビー/キッド映写機用スタンダードレンズと同様4枚のレンズを組みあわせたペッツバール式ですが、ベビー用とは違って中玉と後玉の間に厚さ0.5ミリの薄いスペーサーが噛ませてあって3群4枚の形となっています。レンズ本体は直径で1.5倍ほど大きくなっています。

ベビー映写機用のレンズとは質感が異なり、コントラストをはっきり捉えたかっちり目の描写です。四隅が僅かに暗くなっていますが全体的に緻密な描写で歪みも小。ただし周辺部に流れるような個所も見られます。

ミラーレスカメラにマウントしてマクロ撮影で実写した結果。焦点のあっている部分は繊細かつシャープで、周辺にグルグルボケと歪みも発生。ペッツバール式レンズの癖や特徴が素直に出たアウトプットです。外に持ち運んで遊ぶ分には面白そう。

リュクス映写機用の標準レンズはもう一本所有しています。こちらは鏡胴が金属ではなく樹脂製で色が黒。筒の先端部分に欠けがあるものの映写そのものに影響はありませんでした。オマケで貰ったもので出所が不明、本当にリュクス映写機用かどうかも自信がありません。今回こちらも試し撮りして見ました。

金属鏡胴の個体と比べてややピントが甘く、背後にバブルボケが強く出ています


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