1915 -「小供俳優(其二):ウイリー・ランダース君」 (森田淸『キネマ・レコード』誌1915年3月号)

“The Popular Child-players Series”
(Morita Kiyoshi, in “Kinema Record” 1915 March Issue)

ゴーモン在社時代のボビー君が演じたその喜劇シリーズが盛んに輸入された過去二三年は恰も我が活動界は此の少年俳優の無邪氣な喜劇によつて蹂躙されてゐたが間も無く此処に同じ佛國エクレール會社の少年俳優ウイリー君の演じた喜劇のシリーズが現れて來たのであつた。最初少年俳優と云へばボビー君より知らなかつた人は此の新顔のウイリー君を見てなかなか侮り難い巧な藝を持つた小供だと云つてゐた。多くの愛活連中の中にはボビー君とウイリー君との色々な點を比べてやれボビーより顔が悪いの可愛らしくないの等と口憤泡を飛ばして論じてゐた事もあつた。その位であつたからボビー物を見た人は必ずウイリー物も欠かさずに見る位二人の喜劇映畫が流行したのであつたがかなしいかな當今ではウイリー君の喜劇は全く我が國へは輸入されなくなつて時々ボビーがパテーへ入社してからのものが輸入されるのみである。

私の初めてウイリー君の喜劇を見たのは大正元年八月淺草金龍館で映寫した「ウイリーのボート」”Willy’s sailor suit” 次いで同じく福和館で映寫した「ウイリーの計略」”Willy’s ruse” 同じく金龍館で映寫した「ウイリーとジゴマ」”Willy wants to be like Nick Carter” 等の數本であつた。[…]

「小供俳優(其二):ウイリー・ランダース君」
(森田淸『キネマ・レコード』誌1915年3月号)

1915年のキネマ・レコード誌に掲載されていた記事からの一節で、仏エクレール社のウィリー君喜劇について日本語で残された数少ない紹介文。比較対象として何度か名の上がっているボビー君とはルイ・フイヤード監督による「ベベ(Bébé)」連作で、1912~13年頃の日本でこの二つのシリーズが人気を博していた様子が伝わってくる一文です。


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