映写機用レンズの肖像 [09]: 独メイヤー・ゲルリッツ社 キノン・スーペリアー I f=25ミリ

Meyer Görlitz Kinon Superior I F=25mm Projection Lens from Eumig P3 8mm Silent Projector

以前にf=20mm40mmの2本を紹介した独メイヤー・ゲルリッツ社の映写機用レンズ「キノン・スーペリアー」の25mmを手に入れることができました。3群4枚のペッツバール型。1930年代中盤に市販されていた墺オイミッヒ社の8ミリ映写機P3についていたものです。

映写機は配線が大きくいじられていて現状で動かないのですが、スイッチ類を変えれば使えそうな気配もあってレストアするかどうか思案中。ひとまず先にレンズの写りを試してみました。

前回同様にイハゲー社の金属製エクステンションチューブ一部を流用し、3Dプリンタで作成した樹脂リングをかませる形でExaktaマウントに変更、さらにマイクロフォーサーズに変換してミラーレスカメラに取り付けていきます。

外出ついでに試写してみたのが下のサンプル画像2枚。

f=20mmと同じくイメージセンサーより若干小さく映るため四隅がケラレています。コーティングされていない戦前レンズで逆光に弱いものの、点光源が多い被写体を選ぶと強いグルグルボケが発生。

白黒フィルムを前提に作られているにもかかわらず色の立ち具合の強いレンズでもあります。レンズ中央で色味の強い対象を捉え、周辺(今回は左半分)に点光源を置くと面白いアウトプットになります。

1952年頃のメイヤー社カタログより。キノンに関しては1.8/35mm、1.8/50mm、1.8/65mm、2.2/65mm、1.6/105mmの5種類を掲載。20mmや25mm辺りの短い焦点距離は戦後作られなくなっていたのが分かります。

試写に使用したマイクロフォーサーズのセンサーサイズであればf=25~35mmで十分な気がしました。センサーサイズの大きなカメラで使うなら50~65mmを見つけたいところです。


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