1929年8月19日 – 9.5ミリ個人撮影動画 『ツエ伯号着の三井より望む』

c1929 Japanese 9.5mm Home Movies including
« The Graf Zeppelin, watched from the Mitsui Building »

この前の伴野版『君戀し』(1929年)の所有者が撮影、保管していた7本の個人撮影動画。全て手書きのタイトルが付されています。

『ツエ伯号着の三井より望む』
『格納庫内のツエ号及利根渡り』
『ツエ号の雄姿 1929.8.19-20』
『国立公園大觀峰』
『嵐山(1)』
『嵐山(2)』
『宮島と岩国』

4本は観光地(富山、京都、広島&山口)での映像ですが、それに加えて昭和4年、世界一周航行の折に日本に寄港したドイツの飛行船グラーフ・ツェッペリン号(通称「ツエ伯号」)を記録した動画が3本含まれていました。

1本目の動画『ツエ伯号着の三井より望む』は昭和4年8月19日に飛来したツェッペリン号と、それを見守る観衆を日本橋の三井のビル屋上から捉えたものです。

屋上に「エムプレス食堂」の看板が設置された向かいのビル(三越?)に人が集まっている様子。カメラがそのまま視点を左に移動させていくと、通りを挟んで撮影者のいるビル屋上が写り込んできます。

その後空を写した映像がしばらく続きます。フィルムにダメージ(湿度による細かな割れ)が多いのですが、飛行船を先導している複葉機の機影が捉えられていました。

市街地の俯瞰からカメラは三井ビル屋上へと戻り、ツエ伯号飛来を一緒に見ている友人たちの映像がさしはさまれます。カメラがそのまま再び空を捉えると、今度は三角形のフォーメーションを組んだ3機の複葉機が飛んでいます。

そしていよいよツエッペリン号の登場です。

万国旗で飾られた尖塔の先、画面の中央部上側に飛行船が写っています!

最初は後尾が見えていて、進路をゆっくりと左に変えて進んでいきます。観衆の反応なども記録しつつ、ちょうど飛行船の半身がこちらを向いたところでフィルムが終了しました。

ツエ伯号飛来は当時国内で大きな話題を呼んだ出来事でした(リアルタイムの反応については国立国会図書館HPの「本の万華鏡」が詳しいです)。ニュース動画としての需要もあり伴野商店から複数の9.5ミリ動画が市販されていました。

『ツエ伯號霞ケ浦到着』(178番)
『ツエ伯號霞ケ浦出發』(180番)
『訪日のツエツペリン伯號』(205番)

今回入手した動画は個人撮影で手振れが目立ちます。それでも周囲が盛り上がっている中で撮影された臨場感は十分伝わってくるものです。

また撮影場所が三井ビルの屋上でそこからの眺望が多く含まれていたのも興味深いところです。

本サイトでも9.5ミリ動画で追ったことがあるように東京が関東大震災(大正12/1923年)から復興していく様子は帝都復興祭(昭和5年/1930年)で記録されていました。今回の映像はその半年前に当たっておりアップデートされたばかりの首都が記録されていることになります。三井と向かいの三越の屋上を撮影した戦前動画はそう残っていないはずで都市開発や都市計画、建築の側面からも面白い発見が出てきそうです

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