モンタグ・イロナ Montagh Ilona (c1899 – ?)

絵葉書と『演劇生活 Színházi Élet』誌から見る
1910年代ハンガリー映画(07)

Montagh Ilona Late 1910s Hungarian Postcard

ハンガリーでは今までそれほど多くのコメディ映画は作られてこなかった。だが見ることのできた数少ない幾つかの作品から判断する限り、我々はドイツ人よりこのジャンルに向いていると思われる。名匠オイゲン・イッレーシュが脚本と監督を手掛けた新作喜劇は『伯爵夫人泥棒』のタイトルで近日公開予定。同作の目玉となっているソムレイ・アルトゥール氏に加え、若手女優モンタグ・イロンカ [原文ママ] が感情の起伏の激しい演技を見せる。

「ハンガリー喜劇新作」
『演劇生活』1916年第7号

1899年頃に生まれる。早くから演技の道を志し10代半ばで国立劇場に立ち『ポーランドの血』で高い評価を得る。1916年、エイゲン・イーレッシュ監督作の喜劇短編2作に出演。1917年から拠点をベルリンに移し、レッシング劇場で上演された軽喜劇『空の女王(Königin der Luft)』がヒット作となり同劇場付き女優となり、後にコーミッシェ・オーパー (Komische Oper Berlin)に転籍。

1920年代には米国に進出。21年初頭にニューヨークの39番街劇場で上演された『結婚同然(Almost Married)』で成功を収めます。この時の相手役が後のドラキュラ俳優ベラ・ルゴシ(ルゴシ・ベーラ/Lugosi Béla)。共同作業が続く中でロマンスが生まれ1921年9月に結婚、しかし妻に女優業を引退してほしかったルゴシと女優キャリアを続けたいイロナが対立、翌年には離婚しています。離婚後の消息は不明。熱心なベラ・ルゴシ愛好家の調査によると1935年に万引きで逮捕された記録が残っており不況期に生活の困窮していた様子が伺えます。

ルゴシの伝記で名を見かける機会があるものの若い頃の写真がほとんど残っていないそうで1918年のポートレート入絵葉書は貴重な一枚です。

[IMDb]
Ilona Montag

[Hangosfilm]


[データ]
1066 Bildnis von Angelo Budapest 1918


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