1930年頃 – 9.5mm 個人撮影動画 『無題(木立脇の裸婦)』

9.5ミリ 成人向け動画 より

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1930年頃と思われる裸婦を被写体としたフランスの個人撮影動画。10mのフィルムのほとんどをワンショットで撮りきっています。カートリッジに「水浴みする女たち(baigneuses)」の手書き文字が見られますが登場している女性は一人。海水浴を撮影したフィルムのケースを転用したのか、カモフラージュ用に貼られたものかは不明。

タイトルや字幕は一切なく、木立の脇に立つ全裸の女性の全身像で映像は始まります。

撮影者と会話でやりとりをしているようで何度か口が動いています。両手を大きく左右に広げたり、両手を合わせて頭上に掲げるなど幾種類かのポーズ。

木の枝にかけてあった服(胸元で止めるタイプのワンピース)をおどけた仕草で取るのですが、一瞬人の気配を感じたかのように警戒した表情を見せます。周囲を見回し、落ち着いた表情を取り戻すと上着を羽織ります。ひとつながりのショットはここで終了。最後に2秒ほどの短いショットが添えられていて服を着た女性がはにかんだ表情を見せながらカメラの前を横切っていきます。

本サイトではこれまでにも戦前期の9.5ミリ成人向け動画の紹介を行ってきました。その大半は売春宿などを拠点に売買されていた違法動画でした。今回入手した一本はそれとは異なっていて、動画カメラを所有していた人物が趣味で撮影し個人保管していたフィルムではないかと思われます。

この2種類については見分け方があります。9.5ミリ小型映画の豆知識として知っておいて損はない話ですのでご紹介しておきます。

上の画像は、今回の物とはまた別の成人向け動画からのスキャンです。フィルムを送る穴(パーフォレーション)に注目していきます。

左の写真、黄線で囲った白い四角が手持ちのフィルムに開いている実際の穴です。右の写真で黄緑色で示したように、黒い感じの四角い穴が重なるようになっています。これはフィルムを複製する際、そのコピー元にあったパーフォレーションです。ネガからポジを作っているため、元の穴は黒色になっています。

別なポルノ動画では黒/白/白と3つの四角が重なっている例も見つかりました。ネガからポジを作った後、そのポジからもう一度ポジフィルムに複写した、つまり二度コピーされたフィルムなのだと分かります。

一方手持ちのヌード動画で琥珀色に調色されたものが一本あるのですが、こちらのパーフォレーションを見ると複写した痕跡がありません。9.5ミリ動画カメラで撮られたオリジナルのフィルムで、個人が趣味で撮影し保管していたと考えられるのです。

今回入手した木立脇の裸婦の動画にも複写の形跡はありません。

ほぼワンショットでフィルムを撮りきっている点や、被写体と撮影者が会話している様子が伺えるなど、内容的にも他の市販ポルノ動画とは異なる点が幾つか見られます。両手を重ねあわせ頭上に掲げる姿勢などを見ると、裸婦画をイメージして依頼~撮影が行われた可能性もあります。


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