2019年の末にベル&ハウエル社の初期16ミリ映写機を入手しました。その際に実写に挑戦してみたもののパーツの不足や不具合で上手くいきませんでした。先日同型(若干の仕様違い)がジャンクとして売りに出されていたのでパーツ取りのために取り寄せてみました。


今回入手した55410(右)
今回届いたシリアル番号55410の方からパーツを移植していきます。一番欲しかったのが純正の電源コードでした。


プラグ部分が縦に並んだ特殊な形状をしています。前回はワニ口クリップの自作ケーブルで動作確認。さすがにそれで実写は怖いので純正ケーブルが手に入ったのは助かりました。



もう一つ狙っていたのがモーター用のカーボンブラシ。大分摩耗しているようで交換が必要でした。


デザインが素敵な手元照明用のランプ。電球が生きていてそのまま使えました。


レンズは53410に付属していた一番手前の物に加え、奥の2本が追加されました。いずれも「ベル&ハウエル 2インチ 映写機用レンズ」の刻印あり。最奥の長い一本には「EXTRA S L」の文字が刻まれていました。手前の一本はレンズの内側にカビが目立っていたので分解清掃を行っています(写真右)。
必要な部品を交換、注油の上でフィルムを装填、110ボルト用のアップトランス変圧器につなげていきます。やれることは全部やったはず。これで上手く動かなかったら縁が無かったと思って諦めます。
さて、電源を入れてモーターの動作確認…しまった動かない(笑)。カーボンブラシのねじ込みに加減が必要で再調整。再度電源をオンにします。


無事モーターが始動。フィルムを送り始めました。レンズは一番短い物を装着していたのですが、途中で「EXTRA S L」に変えたところ画質が飛躍的に向上。
走行が安定しておりフレーミングのがたつき等はなし。8ミリ用リージェント映写機同様、精度の高いパーツがかっちりと連動しているB&H社特有の綺麗な動きをしています。ただしこの映写機には排熱装置が備わっていません。ランプハウス上部しか熱の逃げ場がなく映写中、機体が熱くなるので注意したいところです。20年代の映写機は鬼門のモーターに苦戦しましたが、手間暇をかける価値のある一台でした。