尾上 松葉 [Onoe Matsuba]

日本・男優 より

Onoe Matsuba Late 1920s Autographed Postcard

(生年月日)明治四十二年二月五日生
(略歴)
  (学校)尋常小學校卒業
  (舞臺)七歳の時中村福圓について旅を廻つた。
  (撮影)大正九年日活へ入る。
(代表的出演映畫)「楠公」
(處女出演映畫)「石童丸」
(得意の役)子役(前髪)
(趣味)野球
(崇拝せる外國俳優)ロイド、ベンタービン
(愛讀書)小説
(抱負)映畫俳優として大いに努力をしたい。

『映画新研究十講と俳優名鑑』
(1924年、朝日新聞社、全関西映畫協會)


本名加藤淸、明治四十二年京都で生れる、大正八年日活入社「石童丸」が初演、日活が有する名子役なり、野球と馬が好き、お菓子が又大好き、大いに後援してやつて下さい、住所は京都市上京區一条御前通西入椿寺横

『日活俳優名鑑 1926+10』
(1926年10月、『大日活』二周年記念附録)


1921年「史劇 楠公訣別」より。
尾上松葉演じる楠木正行(左)と尾上松之助の楠木正成(右)。
国立映画アーカイブ所蔵フィルムデジタル修復版 文化遺産オンラインより

1909年神戸生まれ、片岡松燕・尾上華丈の実弟。7歳の時大阪の弁天座で初舞台を踏む。中村福圓の門下として九州を巡業。後尾上松之助の助力を得て日活に入社。同社時代劇の子役として活躍。1921年の活動寫眞展覧会で撮影された『史劇 楠公訣別』で楠木正成の息子・正成役を演じる。松之助亡き後も日活に留まり、1930年には「久松實」と改名、『殉教血史日本二十六聖人』1931年に殉教者の一人ガブリエル伊勢善影役で出演したのを最後に映画を離れています。

IMDbでは名の読み方が訓読み「しょうよう」となっていますが、『人物日本映画史:第一巻』(岸松雄、1970年、ダヴィッド社)の「松之助の楠公に、尾上松葉(おのえ・まつば)が正行を演じた」などを根拠とし本サイトでは音読みの「まつば」とします。

[JMDb]
尾上松葉
久松実

[IMDb]
Shôyô Onoe