パテベビー解体新書 実践編 より
切って、削って、糊付けする。フィルムの接合(スプライシング)に特別な流れは含まれていません。8ミリや16ミリでスプライシングの経験がある方には以下の説明は不要かと思われます。
今回使用したのは以下の4つ。
・ダメージのあるフィルム断片
・墺オイミッヒ製フィルム・リワインダー
・英エンザイン製スプライサー
・コダック製フィルムセメント(オランダのVan Eckでオンライン購入したもの)
他にビニール手袋やピンセットもあるに越したことはないです。
途中で切れているフィルムが手元に見つからなかったため、映写時のダメージが残っているフィルム片を適当に選んでサンプルに使用しました。
ガイドに合わせてフィルムを置きます。感光面(ツルツルした面)が上、映写時に左から右にフィルムが進む形でセットします。
固定用のレバーを左に寄せた状態で手前に倒し、カチッと鳴るまで押しこんでフィルムを固定します
続いて中央のカッター部を手前に倒してフィルムを切断します。
カッター部分の側面はギザギザしたヤスリになっています。刃を手前に倒した状態で前後にスライドさせるとフィルムの表面を削ることができます。
ヤスリをかけ終わった状態。表面のツルツルした部分が削られて白くなっています。セメントはベース部にしか効かないため、光沢のある表面は出来るだけ丁寧に削り落としておきます。
フィルムを固定した状態で、先ほどヤスリで削った部分にフィルムセメントを塗布していきます。
右側のフィルムを外します。一コマ分左方向にずし、先端を接着部に重ね合わせます。
固定用のレバーを一旦外します。レバーを一ミリ程右にスライドし、フィルムが二重になった部分を押しつけます
カチッと音がするまでレバーを押しつけ、接着が完了するまで数分待ちます。
スプライシング完了。セメントの量が多すぎるとはみ出して画面が汚れ映写時に映りこみますし、少ないと外れやすくなります。慣れてくると加減が分かってくるはずです。
使用するスプライサーによって作業手順は若干変わってきます。また人によっても細かな違いが出てくるはずです。どれか一つが正解、という話ではありませんが、1)光沢のある部分を削る、2)先に映写される部分が上になるように重ねる(逆に重ねると段差が映写機のゲージに当たって外れやすい)の2点の原則に留意しながら進めていけば問題はないと思われます。