ニナ・リー Nina Li (Нина Ли/Нина Алексеевна Попова, 1905-1992)

帝政ロシア/ソヴィエト初期映画史再訪 [20] & 絵葉書館・ロシア/ソ連/旧ソ連構成国 より

Nina Li Late 1920s Ukrainian Postcard

1905年にロシアのブグリマ(現タタールスタン共和国・ボゲルマ)に生まれる。本名ニナ・アレクセーヴナ・ポポワ。1920年代初頭から演劇を本格的に始め、ソ連の女性映画監督パイオニアであるオルガ・プレオブラジェンスカヤの元で学んでいます。プレオブラジェンスカヤが旧知のガルディン監督に推薦したのをきっかけに1924年同氏の作品でスクリーンデビューを果たしました。演劇学校時代からリリアン・ギッシュに憧れていて、芸名の「リ(Li)」の由来もそこから来ているそうです。

『十字架とモーゼル銃』(1925年)より

1924~27年にかけてゴスキノ、ソフキノ制作による作品に出演、この内ヒロイン役を務めた『十字架とモーゼル銃』(ガルディン監督、1925年)が現存しています。1928年に拠点をVUFKU(全ウクライナ寫眞映畫部)に移します。ペレスティアーニ監督による『雪崩』やチャルディナン監督の『修道会の壁の奥で』で主演をつとめ同社中心女優の一人に成長。トーキー製作が本格化した1930年に映画界を離れその後は舞台に活動の場を移していきました。

今回入手した絵葉書は1928年にVUFKUに移籍した時期に市販された一枚、キーウの出版社UTKV(Ukrteakinovidav)から出されていたもので以前に紹介したエマ・ツェサルスカヤハイリ・エミール=ザーデと同じシリーズです。

[IMDb]
Nina Li

[Movie Walker]


[データ]
14.1 × 9.1 cm, UTKV [Ukrteakinovidav] – 10 kopecks – Kyiv Publishing No.1730 – total print 15000
(УТКВ, Київський Мiськлiт. 10 коп. № 1730. Тираж 15000)