リル・ダゴファー/ダゴフェル Lil Dagover (1887 – 1980)

サイン館・ドイツより

c1930 Lil Dagover Autographed Postcard


キネマクラブにカルル、ド、フォグド氏と共演の「黄金の湖」以來戰後ドイツ革新的映畫「カリガリ博士」を出して、ドイツ斯界に名を驅せ其後出演映畫多數に及んだ。「黄金の湖」「ポンペイの一夜」「死滅の谷」「スワリン姫」「岡寺の觀音」「フアントム」等。

『世界のキネマスター』
(1925年5月、報知新聞社出版部)


一八九四年九月三十日蘭領印度ジャヴアに生る。十二歳の時より舞臺に入り、ラインハルトの下に學ぶ。一九二一年映畫界に入る。出演映畫「カリガリ博士」「黄金の湖」「孟買の一夜」「死滅の谷」「岡寺の觀音」「ズヷリン姫」「明暗の巷」「戀と陰謀」「フアントム」(デクラ)「戀の牧歌」(テラ)「巖窟王」(ナルパ)「王城秘史」「タルチユフ」「戀の悲劇」「戀は盲目」「ハンガリア狂騒曲」「白魔」「初戀」「會議は踊る」(ウフア)「モンテカルロの女」(W・B)[…]

『外国映画俳優・脚色家・監督・撮影者名鑑 1937年版』
(1937年、金子竜一編、新映画社)

スーパー8版『カリガリ博士』より

8ミリ版『カリガリ博士』にあわせてリル・ダゴファーのサイン絵葉書もご紹介。ラング(『黄金の湖:スパイダー組第一話』『死滅の谷』)、ムルナウ(『フアントム』『タルチユフ』)、ゲルラッハ(『王城秘史』)、フレーリッヒ(『岡寺の觀音』『死人島』)など錚々たる面々から実力を買われており、ドイツ無声映画を見ていくと一度ならずその名に触れる機会が訪れます。

個人的に印象に残っているのがフランスで製作された『巖窟王』(1929年)。モンテ・クリスト伯を演じているジャン・アンジェロの演技が単調で、リル・ダゴファー扮するメルセデスも南仏の女性には見えず文芸作品の映画化としては失敗しています。ただ、メルセデスがダンテスと再会を果たす場面の演技は原作にかなり寄せていて、以来一目置くようになった女優さんです。

[IMDb]
Lil Dagover

[Movie Walker]
リル・ダゴファー