1919 – 『活動倶楽部』 大正8年11月 新進女優號

情報館・雑誌(和書) より

Katsudou Club Vo.2 No.11 1919 November Issue
(Katsudou Hyouron Publishing co., Tokyo)

『活動倶楽部』誌の1919年11月号で、旧称の『活動評論』から改称して3冊目、通巻で12冊目となる初期の一冊。素敵な配色の表紙を飾っているのはメイ・アリソンです。

彩色グラビアに『活動評論』誌を読んでいるルース・ストーンハウス。単色グラビアにはマリー・ウォルカンプ、エニッド・マーキー、ドロシー・ダルトン、ルイーズ・ハフ等が登場。1910年代中盤から続いていたヴィクトリア朝系縦ロール女優の人気が一段落し、20年代を予感させるよりモダンな女優に焦点が当たるようになっています。

邦画界は新派劇と舊劇の華やかりし時期に当たっています。池田操を配した『誓い』(天活巣鴨)、藤野秀夫と衣笠貞之助主演になる『殘月』(日活向島)、澤村四郎五郎&市川莚十郎&中村太郎による『女猿飛』(天活)等が新作として紹介されていました。

本号は新進女優號と題されておりハリウッド女優9名紹介と関連記事を中心に構成。プリシラ・ディーンライラ・リーなど20年代に大きな飛躍を見せる女優、またそこまでの知名度はないものの人気を博したマージョリ・ドウやビリー・ローデス、ドロレス・カッシネリ等が将来有望な新人として紹介されていました。また関連記事中ではありますが数か月前に『深山の乙女』が公開されていた縁で花柳はるみさんへの言及が何度か見られました。

個人的にはポーリン・カーリーの項目を興味深く読みました。出演作『ドグラスの跳ね廻り』(Bound in Morocco)が日本で公開されていたタイミングで、「當年十六才になる天才女優」として激賞。そうなんですよね、『国境の掟』でも天才肌は十分に伝わってきました。ただし上昇志向や花形の地位にしがみつく意欲は皆無、この後連続活劇~B級西部劇に流れて忘れ去られてしまうのが返す返すも惜しいな、と。

その他読み物としてドロシー・ダルトン主演の『ユーコンの侠妓』(The Flame of the Yukon、1917)、トッド・ブラウニング監督&プリシラ・ディーン主演作『美しき女賊』(The Exquisite Thief、1919)、新派悲劇『殘月』を掲載、巻末に読者人気投票の経過報告が付されていました。中でも『ユーコンの侠妓』は当時の日本の活動愛好家に強い印象を残した名作とされています。


[出版者]
活動評論社

[発行]
大正8年(1919年)11月1日

[定価]
四拾五銭

[フォーマット]
B5版、 25.7×18.2cm、100頁