サイン館・合衆国/カナダ/オーストラリア より


Eulalie Jensen 1921 Inscribed Photo
オハイオ洲オツクスフオード専門學校セントルイス ロレツト學院卒業後セントルイス、市俄古等に舞臺生活を續け、後エヂソン會社に入り、次で一九一二年以来ヴアイタグラフ會社の幹部女優として今日に至る。
「ユーラリー・ジエンセン嬢(1885年セントルイス生)」
『世界活動写真俳優名鑑』(森富太 編、活動評論社、1919年)
1910年代初めにヴァイタグラフ社で活動を初め、無声期~トーキ初期に興味深い女優キャリアを築いていったのがユーラリー・ジェンセンでした。黒眼黒髪(濃い栗色)から妖婦の位置付けでヒロインの恋敵を演じたり、あるいは落ち着いた雰囲気から若き母親役を任される機会が多く、脇役としての活動が主だったため人気投票で名前が出てくることはありませんでした。
ヴァイタグラフ社を離れ、1920年代になっても(妖婦や恋敵の役は減っていくものの)立ち位置は大きくは変わりませんでした。
1924年の『青春の美酒』ではエリナー・ボードマンの母親、26年『ラディ』『弱虫大手柄』『最後の栄冠』ではそれぞれジョン・ボワーズ、ケネス・ハーラン、メアリー・アスターの母に扮する…といった具合です。またジョン・フォードの『マザー・マクリー』でも貧しいヒロイン(ベル・ベネット)の息子を養子縁組で受け入れ、成長した子を最後は実母に返す女校長役を担当していました。
『青春の美酒』ではやや目を細めて、品の良い柔らかな空気感を出しています。一方『ノートルダムの傴僂男』のマリーは目を見開き、少年的/男性的なキリっとした役どころ。さらに恋敵のようなヒール役もこなすことが出来る…自分が制作側にいたら間違いなくキープしておきたいタイプの女優さんです。フォード、ホークス、キング・ヴィダー、ヘンリー・キングなど実力派監督に重宝されたのも驚くに当たらないのかなと。
サインは1921年1月24日の日付と「愛をこめて(With love)」のメッセージ入り。「ユーラリー」とファーストネームのみを記しています。
[IMDb]
Eulalie Jensen
[Movie Walker]
ユーラリー・ジェンセン