昭和11年(1936年)-『パテーベビー月報 第73号』

Pathé Baby Monthly No.73 (1936 March Issue)

大阪(南区安堂寺橋通り)に拠点を置いていたパテーベビー月報社が発行していた9.5ミリ小型映画専門冊子。16頁で年間購読料は24銭となっています。

以前に紹介した同年5月第75号は『メトロポリス』や『ハンガリー狂想曲』を中心とした構成でドイツ映画色が強い内容でした。紙面で触れられているように本号は3月10日の陸軍記念日を意識した軍事色の濃いものとなっています。

メイン企画は寶塚キネマ製作の『孝子五郎正宗』(S-403、特大鑵4巻)。紹介1頁に次いで3頁を費やして全字幕を掲載しています。

第二特集は「三月十日の陸軍記念日には」。
・『日露戰争回顧錄』(S-420、特大鑵3巻)
・『草に祈る』(G-256、特大鑵3巻)
・『戰友』(S-389、特大鑵1巻)
・『吉岡大佐』 (S-444、特大鑵1巻)
・『橘中佐』(S-446、特大鑵1巻)

それ以外の紙面は広告となっています。アルマ映写機、エクラA型映写機、コロネット撮影機など1936年のトレンドが伝わってくるラインナップでした。

] 映画の郷 [ 電子工作部:戦前9.5mmアルマ映写機のパーツを3Dプリンターで自作する

1月から3Dプリンターを使い始めていて、ようやく何ができて何ができないか分かるようになってきました。そこで先日、国産のアルマ9.5ミリ映写機のランプハウスのフード自作に挑戦。ふたつのパーツを別々に印刷して接着剤で貼りつける形になっています。

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成形が完了したのが上の写真。傾斜の部分に凸凹が見られます。

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パテで穴埋めした後に黒で塗装。左がデザインの下になったオリジナルのフード。右が今回自作したものです。オリジナルは一部に金属が使われています。

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完成品をランプハウスに乗せてみました。

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裏側から見るとこんな感じ。

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元々フードがあったアルマB型(手前)と今回自作パーツで補完したアルマA型(奥)。思った以上にデザインが複雑だったため完全コピーとはいきませんでした。違和感はそこまでないかな、と。戦前映写機のパーツを自作できるとリストアがはかどりそうです。

◇◇◇

合間に9.5mmフィルム用ホルダーも作ってみました。

フィルムが増えてくると管理が難しくなってきて、時に行方不明者も出てくる事態に。紐を通してまとめることが多いのですが、それだと真っ直ぐに並ばずに今度はケースの中でごちゃごちゃしてしまうのです。タグをつけて内容が分かるようにしつつ、整理しやすいようにとこの形になりました。フィルムケース穴に棒を通して端を円形パーツで留めるだけですがとても便利です。

1920年代後半 パテベビー × ツァイス・イコン「ディアフォト」(消失型露出計)

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Diaphot (lates 1920s extinction light meter , Pathé Baby × Zeiss Ikon)
1920年代後半にパテベビーブランドと独ツァイス・イコン社のコラボアイテムとして発売された露出計。1920年代前半に独Ica社とコラボした同名機器の後継で、パテ社&ツァイス社のコラボとして確認できている唯一のものです。
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円形の硝子の縁に細い金属製のフレームがあり、裏側ののぞき窓を覗きながらフレームを回していくとどこかの段階で風景が見えなくなります。その時に表面に書かれている数値を露出として撮影していく形です。「Extinction Light Meter(消失型露出計)」と呼ばれるタイプで目視による精度は低く、より高性能な露出計がカメラに内蔵されていく流れで使われなくなっていきました。

革ケースには説明書が入っていました。使用時のイメージ図などが掲載されています。

1930年代初頭 日本 パテベビー映写機 チラシ

二つ折り見開き4ページ、出版社名明記なし。パテベビー映写機、キッド、リュクスの3台を中心としたラインナップで1932年前後と思われます。ベビー映写機75円、キッド映写機が29円、リュクス映写機が165円、手回し式カメラ(レンズF=3.5)45円、モトカメラ115円の価格設定となっています。

仏パテ社 パテベビー映写機 メンテナンスキット

1920s - Pathé Baby nécessaire d'entretien
1920年代 パテベビー映写機メンテナンスキット
パテベビー映写機のクリーニングやメンテナンスに必要な道具一式をまとめたもの。

1)マイナスドライバー
2)埃を除去ための筆
3)シャモア革のクロス
4)真鍮製のオイル差し
5)象牙製と思われるヘラ

5つの道具が含まれています(クロスは箱にしまったまま)。当初は紙製の箱入りで後に金属製の缶入りに変更されました。パテ社の製品カタログではカタログ番号F20が振られています(価格は15旧フラン)。

仏パテ社製 金属製スプライサー

Pathe 9.5mm film colleuse
仏パテ社製 金属製フィルムスプライサー
木製の土台を持つ純正スプライサーよりやや後年のもの。スプライシングの際、フィルムのずれを防ぐため3か所で固定する仕様になっています。 40年代になると角ばったデザインの後継機が使われるようになりました。

米パテックス社 9.5mmフィルム専用リペア・パッチ

repair_pathes01古いフィルムを映写していると、何かのきっかけで映写機の鉤爪でフィルムの穴を傷つけてしまうことがあります。

他形式ではフィルム脇に穴が並んでいるため影響は軽微ですが、9.5mmフィルムでは直接画面に反映されてしまいます。さらに穴が広がると上映時に映像が上下にがたつきます。

この弱点に対応するため発売されたのがリペア・パッチです。透明で円いパッチをダメージのある穴に貼りつけて使用。パッチの円い輪郭が画面に写りこむため絵面は良くないものの、がたつきを抑える一定の効果があります。

米パテックス社 9.5mmフィルム専用スプライサー(ジョイニング・プレス)

french-pahte-film-repair-kit1french-pathe-film-repair-kit2その材質上フィルムはどうしても切れやすいものです。またダメージのある齣を取り除くため意図的に切ってつなげる作業を行ったりもします。

ある時期からフィルムを「つなぐ/継ぐ」ための機器をスプライサーと呼ぶようになりましたが、1920年代半ば~30年代にはこの呼称は存在していませんでした。米パテックス社が9.5ミリ用の「ジョイニング・プレス」として発売していたのがこちらです。

木製の土台にフィルム幅のゲージが置かれ、ロック機能付きのノブでフィルムを押さえつけることが出来るようになっています。切れたフィルムをつなげるだけでなく、ダメージを受けた穴にパッチを当てる際に使うこともできます。

1930年代 墺オイミッヒ社 9.5mm専用フィルムリワインダー

eumig-9-5mm-film-rewinder1映写や修繕を終えたフィルムを元のリールに巻き取るための道具。オーストリアの光学機器メーカー・オイミッヒ製で、土台部分は木製。1930~40年頃のものでしょうか。

パテベビー映写機延長アーム

1920年代に人気のあったパテベビー映写機は、基本となる本体に対して様々な拡張パーツを後付けしていくことができるようになっていました。

ベビーカラーを使い白黒画像を彩色していく、モーターを取り付ける、拡大レンズで画角を変える…パテ社の正規品を使っている人もいれば、自作パーツによる改良を試みる猛者もいます。

120メートル用の大型リール映写用に市販されていたのがこちらの延長アームです。手元には微妙にデザインの異なる2組があります。今回はシリアル番号25836のセットを映写機に付けてみました。

9.5mm周辺機器 – ベビーカラー(Babycolor)

パテベビー映写機には多くのオプション品が用意されていました。「ベビーカラー」と呼ばれるこちらの円形パーツもその一つです。

映写機前面に突き出した部分にリングを引っ掛けて留める形になっています。円形プレートは回転し、何もない状態とフィルターによる5つの色を選ぶことができます。赤、黄、緑、青、橙色を想定しているようですが、実写では青が緑がかっていて、緑は黄色味を帯び、黄と橙が近い発色でした。