パテ・ベビー映写機 A型(1922~23年)

「映写機」より


これまでに登録したパテ・ベビー映写機はいずれも1920年代後半の後期型モデルでした。今回手に入れたのは最初期のA型。大正期末に製造されていたモデルです。シリアルが「013544」ですので1923年に市販された一台でしょうか。

後期型との違いとして
1) 彩色されたロゴが正面のレンズ穴下にある
2) 手回し用のノブが球形をしている
3) フィルムの受け側に巻き取り用の仕組みがない
4) 10m用カートリッジしか装填できない(後期型は20m用も映写可能)
5) フィルムを送る鉤爪が1つしかない(後期型は2つ)などの特徴を持っています。

実用に使う予定はないのですが、初期の小型映写機をこよなく愛する者として、こちらの一台がコレクションに加わったのは嬉しい限りです。

本体シリアルナンバー: 013544
対応フィルム: 9.5mm (10メートルカートリッジ専用)
対応電圧:90~110v
製造国:フランス
製造時期: 1923年頃

パイヤール・ボレックス社 DA-37型 9.5mm/16mm両用 サイレント映写機(1937年)

「映写機」より

別に紹介している1933年のDA型のアップデート版として1937年に発売されたのがこちらの通称DA-37です。

外観が一部変更され、筒型のランプハウスの横に半円状のせり出しが見られます。内部に羽が格納されていて、映写中に回転しながら光源のオン/オフを繰り返すのですが羽の大型化に伴ってこのようなデザインとなっています。その他スイッチなどに細かな仕様変更有り。

レンズは1:1.9のF=45mm、フレームのデザインが簡素化されています。最も大きな変更点は、ランプが以前の250Wから400Wに変更されたことです。

スペック、デザイン的な変更があるためDA IIとして売り出しても良さそうなものですが、実際には当時DAとして発売されており、シリアルも以前からの連番を踏襲しています。現在メーカーの公式ページではDA-37の名前で紹介されています。

シリアルナンバー: 12398
対応フィルム: 9.6/16mm
製造国:スイス
製造時期: 1937年~
レンズ: Hermagis Magister F=40mm 1:1.9 (シリアル無)
対応電圧: 110-125v
ランプ: 400w

1928 – ラトビア語版 パテ・ベビー映写機 フィルム・カタログ

20世紀前半、ラトビアの首都リガに店を構えたアーノルズ・カリティス写真店で9.5mmフィルム用カメラや映写機が売られていました。カリティス氏はラトビアの初期映画製作に功績の多かった人物でもあります。

2015年にリガでアーノルズ・カリティス写真店展という企画が開催され、同氏の功績が再確認されています。カリティス夫妻のポートーレート写真や当時の店の様子はこちら。窓ガラスにパテベビー映写機のポスターも貼ってありますね。

arnolds-calitis
紹介記事(jaunagaita.net)のスクリーンショット

こちらは同店が当時発売していたフィルムのカタログです。ラトビアは1940年にソ連に併合されますが、併合以前の独立期(1918~40年)の独自文化の現れとして貴重な資料ではないかと思われます。

スイス パイヤール・ボレックス社 G916型 9.5mm/16mm両用映写機

イギリス仕様でレンズも英国製。バーミンガム在住のシネ・エキップメンツ有限会社が販売していた一台で同社ステッカーが貼られている。220Vから110V用の変圧器付属、元木箱付き。

製造: スイス
対応フィルム: 9.5mm/16mm 両用
対応電源:110~125V
コンセント:欧州仕様
レンズ: Dallmeyer Projection Lens F=50mm 181139
ランプ: 120V 750W (DDB)

[履歴]
2014年12月26日購入

仏サダル ハンディー(アンディ) 9.5mm映写機

1947年頃に市販されていた記録が残っており9.5mm用の映写機としては後期のモデルとなります。ベークライト製の土台と本体で軽量化を実現しながらもデザインは戦前に良く見られた背後にアームがなびく形式を採用していました。

「サダル」はおそらくは人名で、同氏が立ち上げた会社の映写機になるのではないかと思われます。8mm型と9.5mm型の二種類が確認されていますが後継機は見当たらず、同社唯一の映写機のようです。

エントリーレベルよりやや上のスペックで本格的な実写には向きませんがフィルム装填が容易で動作も安定しています。

シリアルナンバー: –
対応フィルム: 9.5mm
製造国:フランス
製造時期: 1940年代後半
レンズ:Elumix F=35mm
対応電圧: 250v
ランプ: 220V 60W

2016年5月購入

アルマB型 9.5mm映写機

戦前に伴野商会が開発した初期国産9.5mm映写機、アルマB型。

英パテスコープ社による200B映写機のコピー機。速度調整用のツマミ、ランプハウスの装飾、アームやフィルム送りの金具に至るまで徹底ぶりが伝わってきます。

モーター用のスイッチが壊れていて、速度調整のレバーも効かないためリストアが必要。

シリアルナンバー: 8392
対応フィルム: 9.6mm
製造国:日本
レンズ: 無銘
対応電圧: 80-110v
モーター: 日立(シリアル953894)
ランプ: 200w

2016年4月購入

独アレフ ビルシン 9.5mm映写機

独アレフの9.5mm映写機で普及版の位置付けをされていた一台。オーストリアのウィーンで販売された機体で、土台部分に取扱業者フェリクス・ノイマンの銘が入っています。

写真は200フィート用の延長アームを付けた状態。右手前に見えるように、旧所有者がカスタマイズを行いパテベビー用のモーターを取り付け自動化しています。奥に見える縦長の筒は可変抵抗器でモーターにつながっています。入手した段階で配線がバラバラになっていたためモーターを仮接続して動作を確認しました。

シリアルナンバー:なし
対応フィルム:9.5mm
製造国: ドイツ
製造時期: 1920年代後半
ランプ: OSRAM 8203 25V 1A(Ushio 8000281, SM-8203, Philips 392N)