エルミール・ヴォーティエ Elmire Vautier (1897 –1954)仏

「フランス [France]」より

Elmire Vautier 1920s Autographed Postcard

仏シネ・プル・トゥス誌1923年通巻110号より

『私の子』(Sa Gosse、1919年) GPアーカイヴより

『ベルフェゴール』(1927年)より

エルミール・ヴォーティエ夫人は30年程昔ウール県のベルネーで生を受けた。

パリの音楽高等師範学校に入学、ジュール・トルフィエに師事するが程なく演技の勉強を離れ、1918年に映画初出演となる2作『他人の妻』『殺したのは誰だ』撮影に参加した。

翌年アンドレ・ルグラン映画社と契約を結び、アンリ・デフォンテーヌ監督の下で『奇妙な盗人』『私の子』に、次いでリアベル監督による『不死之血』『海辺の花』『愛なき島』に出演した。

その次の作品は『巨手』は戦争プロパガンダ映画だった。アンドレ・ユゴン監督の『証拠』に、ジェラール・ブルジョワ監督物の連続冒険活劇『夜の息子』と続いていく。1921年には新たな連続活劇『三つの仮面の男』で一人二役を演じ、ロジェ・ド・シャトルの『他人』でも再度二役に挑戦している。

パテ・コンソルティウム社と一年契約を結び、最初に撮ったのが『カマルグの王』であった。原作ジャン・エカール、監督はアンドレ・ユゴン。次いでジョルジュ・モンカが監督したJ・J・ルノー原作物『ジュディト』、トゥリエ原作で監督やはりモンカによる『避難』に出演。アルトゥール・ベルネード原作でジャン・ケム監督の『ヴィドック』が最新作である。


Elmire Vautier est née, il y a une trentaine d’années, à Bernay, dans l’Eure.

Admise au Conservatoire de Paris, dans la classe de Truffier, elle quitte bientôt ses études théâtrales pour tourner, en 1918, ses deux premiers films, Les Femmes des autres et Qui a tué? sous la direction de Pierre Marodon.

Engagée en 1919 par les Films André Legrand, Elmire Vautier a tourné ensuite : Un vol étrange et Sa Gosse, réalisé par H. Desfontaines; puis Le Sang des Immortemmes, Des Fleurs sur la mer et L’Ile sans amour, réalisé par L. Liabel.

Vinrent ensuite un film de propagande : Les Mains géantes, puis La Preuve, sous la direction d’André Hugon, et un ciné-fuielleton d’aventures : Le Fils de la Nuit, réalisé par Gérard Bourgeois. En 1921, un autre ciné-roman : L’Homme aux trois masques, où elle interprétait un double rôles; puis de nouveau dans un double rôle : L’Autre de Roger de Chateleux.

Engagé par Pathé-Consortium pour une année, Elmire Vautier a tourné par la suite : Le Roi de Camargue, réalisé d’après Jean Aicard par André Hugon : Judith, de J. J. Renaud, réalisé par Monca; Le Refuge, d’après A. Theuriet, réalisé par le même. Puis, tout dernièrement, Vidocq, composé par Arthur Bernède et réalisé par Jean Kemm.


1910年代末にデビューした個性派の女優さん。

初期作の『私の子』では純情な田舎娘が男にたぶらかされ未婚の母となり、生活費を稼ぐためパリに上京し歌手として生計を立て始めます。パリ篇では蓮っ葉な現代っ子の側面が強調されていて、地元篇との雰囲気の違いに驚かされます。

綺麗目のヒロインと暗黒面を抱えた女性を演じ分ける力は高く評価されていたようで、特に活劇系の設定で重宝されるようになりました。

『三つの仮面の男』での二役を皮切りとし、フイヤードの『ファントマ』でファントマ役を演じたルネ・ナヴァールの出演作品に(しばしば裏の顔を持つ)ヒロインとしてクレジットされる機会が増えていきます。『ヴィドック』(Vidocq、1923年)、『正義を成す女』(1925年)、『沈黙の壁』(1925年)、『ベルフェゴール』(Belphégor、1927年)はいずれもナヴァールとの共同主演作品。

クレステと共演した『正義を成す女』(La Justicière、1925年)のポスター


しかしこういった作品以上に女優の力量を引き出したのは『カマルグの王』(Le roi de Camargue、1922年)でした。エルミール・ヴォーティエは流浪の民に呪いをかけられ最後は沼地で溺れ死ぬ悲運のヒロイン役で、幸福だった私生活が崩れて落ちていく不安感を上手く表現していました。

出演作では『カマルグの王』『ベルフェゴール』の2作が9.5ミリフィルム化されています。


[IMDb]
Elmire Vautier

[Movie Walker]
エルミール・ヴォーティエ

<[出身地]
フランス(グランシェン)

[誕生日]
8月28日