「フィア・エーマンス旧蔵サインコレクション」より
世に聞こえたオランダ出身監督ヤープ・シユパイアー氏の夫人でもあるミア・パウコー嬢は西プルシアの小さな町フリートラントにて生を受けた。同嬢の才能を最初に見出したのはオイゲン・イッレーシュ氏で、同氏は孃と契約を交わし『最新報告』(1917年)の女主人公役を委ねた。次いで嬢はグルウンバウム社、アルトフ社と契約、ミア・パンコー映画シリーズで名を上げる。最初のヒット作となったのはアルトフ社で撮られた『リリィとその良人』であつた。
世界映画辞典・1932年度版(フランク・アルノー編)
Universal Filmlexikon 1932 (Europa),
Frank Arnau (Hg.), Berlin: Universal Filmlexikon GmbH, 1932
1924年、独歴史映画の秀作『ヘルマンの戦い』ではヒロインの一人グントヒルトを好演。

また1928年の『妖花アラウネ』にも出演。同作は科学者(パウル・ヴェゲナー)が死刑囚の精子と売春婦の卵子を使って人工生命(ブリギッテ・ヘルム)を作り出す設定でした。冒頭で科学者に騙され、卵子目的で命を奪われる哀れな娼婦を演じていたのがミアさんでした。

1930年代となり、良人が監督した『南米向け踊り子募集』(Tänzerinnen für Süd-Amerika gesucht、1931年)でトーキーデビューを飾るも同作が引退作となりました。20~30年代だけ見ていると正直パッとしませんが女優業の本体は1910年代にあり、その実態は多くの失われたフィルムの先に見えなくなってしまっています。
[IMDb]
Mia Pankau
[Movie Walker]
ミア・パンコー
[出身地]
東プロイセン(フリートラント)
[誕生日]
2月14日
[サイズ]
8.7 × 13.4cm
[データ]
Verl. Herm. Leiser, Berlin-Wilm. 4356. Photogr. Max Lutze.