1913 – 16mm 『エルダーブッシュ峡谷の争い』(The Battle at Elderbush Gulch)

グリフィス監督の初期短編。白人とアメリカン・ネイティヴとの争いを描いた一作で、枠組みとしては西部劇。しかし戦いの描写や物語の運びは西部劇が確立された後代と大分異なっています。

興味深いことに男中心の価値観の中で女たちの動きが丁寧に追われています。生まれたばかりの赤子を奪われ動揺する若い母親(リリアン・ギッシュ)、火の手をくぐり赤ん坊を助け出すお下げ髪の少女(メエ・マーシュ)。1912~14年はグリフィスの創造力が最も豊かだった時期で、生まれようとしている西部劇映画にみずみずしい息吹を注ぎこんでいました。

Lillian Gish & Mae Marsh in The Battle at Elderbush Gulch (16mm B&W Blackhawk Print)

[タイトル]
The Battle at Elderbush Gulch

[製作年]
1913年

[IMDB]
tt0003662

[メーカー]
米ブラックホーク社

[フォーマット]
16mm (ダブルパーフォレーション、無声)

1924 – 9.5mm リン・ティン・ティン主演 『義勇の猛犬』

1929年に米アカデミー賞が初めて開催された時、審査員投票で最初に男優賞に選ばれたのはリン・ティン・ティンという名のシェパード犬でした。

栄えあるイベントの初代男優賞が果たして犬でいいのか…審査結果は一旦キャンセルされ、再度の投票で『嘆きの天使』主演のエミール・ヤニングスに付与されることが決まりました。

『義勇の猛犬 (Find Your Man)』はそんなリン・ティン・ティンの初期作。カナダを舞台とし、婚約者と会うために山村にやってきた青年が材木の密売事件に巻きこまれていく物語です。

閉じこめられていたリン・ティン・ティンが助走をつけて檻に突進、しがみついて乗り越えてしまう場面、蒸気機関車との並走場面など見どころ満載。当時の子供たち、そして大人たちまで魅了されたのがよく分かります。

[タイトル]
Rintintin, redoutable témoin

[原題]
Find Your Man

[製作年]
1924

[Movie Walker]
mv2543

[IMDB]
tt0014901

[メーカー]
仏パテ社

[カタログナンバー]
918

[フォーマット]
9.5mm (ノッチ有) 20m *6リール

ウィリアム・ダンカン William Duncan (1879 – 1971)

william-duncan

1910年代に米ヴァイタグラフ社のスター男優として多くの連続活劇に登場していたのがウィリアム・ダンカンです。元々はイギリス生まれ、奥さんでもあったイーディス・ジョンソンをヒロインとした西部劇に多く主演していました。現存作品が少ないため知名度は低いものの全盛期にはダグラス・フェアバンクスを凌ぐ高給取りだったそうです。

印刷物かと思うほどのきれいなサインですが所々ムラのある白インク書きです。大文字の »D »の筆跡が独特で、最後の »n »の終わりを上に撥ねる癖があります。

[Movie Walker]
ウィリアム・ダンカン

[IMDB]
nm0242139

[出身]
イギリス(ダンディー・シティ、スコットランド)

[誕生日]
12月16日

[撮影]
Evans L.A.

[コンディション]
B-

[サイズ]
18.4 × 24.0cm

1917 – 9.5mm『無法者』 (ウィリアム・S・ハート主演作品)

ジョン・ウェインの登場(1929年)以前に米の西部劇を代表していたのがウィリアム・S・ハートです。人生の疲れを知った大人の部分と、無邪気な童性が溶けあっていて、無法者の側にも立っても秩序の側に立っても物語を組み立てていける懐の広さがありました。

1917年公開の『ガンファイター(The Gunfighter)』を9.5㎜用に縮約したのがこの『無法者』です。冒頭、銃口がこちらを睨み付けているショットや、仲間と一緒に酒場へやってきたハートがカメラににじり寄っていく場面など見せ場が多い良作。

[タイトル]
The Outlaw

[原題]
The Gun Fighter (1917)

[IMDB]
tt0008036

[メーカー]
米パテックス社

[カタログ番号]
10038

[仏パテ社版カタログ番号]

[フォーマット]
60フィート×3(ノッチ有)