ナタリー・コヴァンコ Nathalie Kovanko (Наталья Ивановна Кованько 1899 – 1967)

「国別サインリスト ロシア [Russia]」より

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1918年のロシア革命後、帝政寄りだった一部の映画人が祖国を離れ、フランスに向かいました。モジューヒンやヴォルコフといった才能ある面々が同地でアルバトロス映画社を立ち上げ、第一次大戦後に停滞していた仏映画に衝撃と活力をもたらしていきます。

フランス亡命時代に頭角を現した女優の一人がナタリー・コヴァンコでした。ヴィクトル・トゥールジャンスキー監督のお気に入りとしてヒロイン級に昇格、1926年の秀作『大帝の密使』でもモジューヒンの相手役を務めています。

[Movie Walker]
67856

[IMDB]
nm0468350

[出身]
ロシア

[誕生日]
9月13日

[コンディション]
B+

[メーカー]
Ross Verlag

1936 – アラ・ナジモヴァ主演舞台劇『ヘッダ・ガブラー』 出演者寄せ書き Alla Nazimova

昭和11年にブロードウェイで上演された舞台劇『ヘッダ・ガブラー』のパンフレットに主演ナジモヴァと他の出演者6名がサインしたもの。

ナジモヴァは1910年代にロシアから渡米し成功を収めた一人です。クセのある風貌で米女優では得難い退廃の雰囲気を見せつけました。映画では『椿姫』(1921年)と『サロメ』(1923年)がよく知られています。

プログラムの左上からグレース・ミルズ(Grace Mills)、レスリー・ビンガム(Leslie Bingham)、ナジモヴァ。右上からマッケイ・モリス(McKay Morris)、ハリー・エラーブ(Harry Elerbe)、エドワード・トレヴァー(Edward Trevor)、ヴィオラ・フレイン(Viola Frayne )。

[Movie Walker]
アラ・ナジモヴァ

[IMDB]
nm0623417

[誕生日]
5月22日

[出身]
ロシア

[コンディション]
B+

[入手年月日]
2017年9月

リナ・マルサ Rina Marsa (1904 – ?) 露/独

Rina Marsa

1920年代末に注目を集めヒロイン〜準ヒロインとして登場するも直後のトーキー化に消えていった女優さん。活動期間が短かったこともあって伝記データが少なく、引退後の動きや没年も分かっておりません。ドイツ時代のウィリアム・ディターレが監督・主演した『バイエルンの王、ルートヴィヒ2世』、主人公の婚約者役を演じた船上ミステリー『遊覧船「よしわら」号』 などが現存しています。

Rina Marsa in Ludwig der Zweite, König von Bayern (1930)
『バイエルンの王、ルートヴィヒ2世』 (1930年)より

[IMDB]
nm0550338

[出身]
ロシア(コーカサス)

[コンディション]
B+

[入手年月日]
2017年5月

[メーカー]
Ross Verlag

イリーナ・レオニドフ Ileana Leonidoff (1893 – 1968) 露/伊

イタリア未来派の代表作『Thais』 (1917年)でヒロインに抜擢され注目を浴びたのがイリーナ・レオニドフでした。

ロシア生まれで若くしてイタリアに移り住み当初はオペラ歌手の修業を積みます。まず映画女優として名を上げて歴史映画(『アッティラ』)や恋愛ドラマに出演、1922年を境にバレエに活動を移していきました。

ローマを拠点とし自身のバレエ団を結成海外公演を行っていた記録があり、1924年にロンドン公演を行っています。このサイン入り写真はその際の一枚と思われます。

とても綺麗な写真ですが数か所の汚れ、右下に目立つ破れがあります。

Ileana Leonidoff 1924 Autographed Photo

[サイズ]
15.0 × 20.0 cm

[IMDB]
nm0503064

[出身]
ロシア/ウクライナ

[誕生日]
3月3日

[コンディション]
C+

ウェラ・オルロワ Vera Orlova (1894–1977)

こちらは1910年代から活動を続けていた女優ウェラ・オルロワ。以前に紹介したオリガ・クニッペル同様、1921年にモスクワ芸術座がクロアチア首都ザグレブを訪れた際に残されたサインと思われます。サイン日付は1921年1月28日。

舞台が中心ではあるものの映画でも重要な役どころを多く演じており、1916年の『スペードの女王』、1923年の『罪と罰』、1924年の『アエリータ』など現在でも評価の高いロシア・ソ連初期映画で演技力を発揮しています。

[Movie Walker]
ウェラ・オルロワ

[IMDb]
nm0650153

[誕生日]
5月27日

[撮影]
トンカ・スタジオ(ザグレブ)

大正9年のアンナ・パブロワ・バレエ団(2)ヴェラ・カラーリィ (1889 – 1972) Vera Karalli


チャールズ・トープ氏旧蔵サイン帖より

ロシア帝政期~ソヴィエト時代に活躍した舞踏家・映画女優で、1910年代半ばのエフゲニー・バウエル作品(『瀕死の白鳥』1917年など)で重用されていました。

私生活ではニコライ二世の従弟ドミトリー大公の愛人。1916年、同大公を中心にラスプーチン暗殺が決行されます。猜疑心の塊となっていたラスプーチンをおびき出すために女性が使われたという噂もありました。関与を疑われ、警察の調査対象となった女性が二人いて、その一人がヴェラだったそうです(『真説ラスプーチン』、エドワード・ラジンスキー著)。真相は現在でも不明。

サインは鉛筆書きで名前のみ。仏文化の影響を強く受けた帝政ロシア期の女性らしくヴェラの「e」にアクセント記号を付しています。

[IMDb]
nm0832977

[誕生日]
7月27日

[出身]
ロシア

大正9年のアンナ・パブロワ・バレエ団(1)アンナ・パヴロワ (1881 – 1931) Anna Pavlova

チャールズ・トープ氏旧蔵サイン帖より

1920年4月、アンナ・パヴロワはドゥルリー・レーン王立劇場の舞台に立ちます。パヴロワ団にとって初の長期ロンドン公演で、英語圏での知名度を決定づける内容となりました。

アンナ・パヴロワ 1920年6月5日
Anna Pavlova 5/VI 1920

数字の後にスラッシュ(/)を入れ、ローマ数字で月を表記するのはロシア語圏の慣習でした。サインは鉛筆書きで途中で芯が割れて線が二重になっています。

パヴロワ自身は映画女優の活動は行っておりませんが、チャップリン、メアリー・ピックフォードなどと対面を果たしています。

[IMDb]
nm0667816

[誕生日]
2月12日