カルロ・ヴィート Carlo Wieth (1885–1943) デンマーク

「国別サインリスト 北欧諸国 [Nordic Countries]」より

Carlo Wieth Autographed Postcard

1885年コペンハーゲン生まれ。1900年代に舞台俳優として修業を積んだ後、1910年にウアバン・ガーズの監督処女作でもある戦争メロドラマ『1864年の一徴兵』の主人公役でスクリーンデビュー。

Carlo Wieth in En rekrut fra 64 (1910)
『1864年の一徴兵』での負傷した兵士役

その後ノルディスク社と契約しオーガスト・ブロム(『モルモン教の犠牲となり/Mormonens offer』1911年)、シェストレム(『聖職者/Prästen』1914年)、ホルガー・マドセン(『永遠の平和/Pax aeterna』1917年)、ドライヤー(『サタンの書の数ページ』第4エピソード)など北欧サイレント映画の全盛期に安定した演技で貢献していきました。また私生活では以前に紹介したクララ・ヴィートの最初の夫でもありました。

1920年代前半に舞台へと戻り映画主演が途切れていましたが、30年代後半に復帰し9作のトーキーに出演。1943年に心臓発作で亡くなっています。

[IMDb]
Carlo Wieth

[Movie Walker]

[出身地]
デンマーク(コペンハーゲン)

[誕生日]
12月11日

[サイズ]
8.8 × 13.4 cm

[データ]
Photochemie, Berlin K.1765

カリン・モランデル Karin Molander (1889 – 1978) スウェーデン

「国別サインリスト 北欧諸国 [Nordic Countries]」より

Karin Molander Autographed Postcard
Karin Molander Autographed Postcard
1910年代のスウェーデンで多ジャンルに才能を発揮していたのがカリン・モランデルでした。舞台出身(初舞台は明治期の1907年)で演技の基礎がしっかりしていたこともあり、対応力の高さからスヴェンスカ・ビオグラフテアーテン社の花形の一人に躍り出ます。

Karin Molander in Kärlek och journalistik
『愛とジャーナリズム』(1916年)

とりわけスティッレル監督と相性が良くトーマス・グロール二部作(『最良の映画』『最良の子供』)ではトーマス役シェストレム相手に小気味よいやりとりの応酬を披露、作品の軽快なリズム感作りに貢献。

Karin Molander in Thomas Graals bästa film
『トーマス・グロールの最良の映画』(1917年)
Karin Molander in Synnöve Solbakken
『シヌーヴェ・ソールバッケン』(1919年)

やや趣向を変えヨン・W・ブリューニウス監督の郷土色溢れるロマンス『シヌーヴェ・ソールバッケン』(1919年)でもラーシュ・ハンソン相手に手堅い演技を見せていました。

そのキャリアの頂点となった一作が1920年『エロティコン』です。冴えない大学教授の姪として登場し、四つ巴の複雑な恋愛模様の一角を担っていきます。一見無邪気な娘でありながらも洗練された求愛の駆け引きをこなしていく難しい役柄をこなし無声映画史に名を残します。その後は舞台活動に比重を移し、映画作品のクレジットにその名を見かける機会はほとんどありませんでした。

Karin Molander in Erotikon
『エロティコン』(1920年)

[IMDb]
Karin Molander

[Movie Walker]
カリン・モランデル

[出身地]
スウェーデン(ストックホルム)

[誕生日]
5月20日

[データ]
Förlag Nordisk Konst Stockholm, 837, 1917

[サイズ]
8.4 × 13.4 cm

1917-22 忘れじの独り花(25)クララ・ヴィート Clara Wieth (1883 – 1975) デンマーク

「フィア・エーマンス旧蔵サインコレクション」より

Clara Wieth 1910s Autographed Postcard
Clara Wieth (Clara Pontoppidan) c1920 Autographed Postcard

1910年に映画デビュー。当初はレジア芸術映画社を拠点とし『ドリアン・グレイの肖像』や 『大都会の誘惑』(いずれも1911年)にヒロイン役で登場、若き美青年俳優W・スィランダのデビューに立ち合いました。すぐにノルディスク社に移りオーガスト・ブロム監督(『血を吸う踊り子』1912年)やホルガー・マドセン監督作品で重用され、同時期にスウェーデンでもスティッレルやシェストレム初期作でヒロインを務めます。

1920年前後にかけ出演ペースが落ちていくものの、カール・テオドア・ドライヤーの初期作『むかし、むかし』(1922年)の美しく傲慢な姫君役など北欧映画史の希少な瞬間を演じました。

Clara Pontoppidan in Der var engang (1922)
『むかし、むかし』(1922年、カール・テオドア・ドライヤー)

1920年に再婚で名字が変わります。以後はクララ・ポントピダンとして活動。20年代半ばに映画界を離れ舞台に移りますが、二次大戦後に復帰、主演作を挟み70年代までデンマーク映画を支え続けていきました。

クララ・ヴィート名義のサインは名字変更前の1910年代と断定して良さそうです。

Clara Wieth in Filmen (1915)
デンマークの映画誌『フィルメン』
1915年度第10号の紹介記事

[IMDb]
Clara Pontoppidan

[Movie Walker]

[出身地]
デンマーク(コペンハーゲン)

[誕生日]
4月23日

[サイズ]
8.6 × 13.5cm

[データ]
K.136. (Photochemie, Berlin)

1917-22 忘れじの独り花(11)グズロン・ブルーン・ステフェンセン Gudrun Bruun Stephensen (1892–1946) デンマーク

「フィア・エーマンス旧蔵サインコレクション」・「北欧諸国 [Nordic Countries]」より

Gudrun Bruun Stephensen c1920 Autographed Postcard
Gudrun Bruun Stephensen c1920 Autographed Postcard
デンマーク映画初期から活動していた女優さん。スィランダ主演の短編『大都会の誘惑』(Ved Fængslets Port、1911年、ノルディスク社)でもパーティー場面に端役で登場している姿を確認できます。

女優キャリアの中心は1917年から23年で、フリッツ・マグヌッセンやラウ・ラウリッツェン監督作品に多く登場、脇役からヒロインまでこなす安定感を見せていました。

Gudrun Bruun in Der Gang in die Nacht (1921, Murnau)
『夜への旅』(Der Gang in die Nacht、1921年)より

1910年代の北欧映画はドイツでも人気があり、次第に知名度を高めていく中で1921年にはムルナウ作品『夜への旅』の主演を果たします。同作では初老の眼科医師(オラフ・フォンス)と不倫仲になりながら、患者としてやってきた盲目の画家(コンラート・ファイト)に鞍替えし自身の破滅を招いていくヒロイン役を務めていました。

『夜への旅』はややミスキャスト気味で終始の鬱展開、あまり高い評価を得ていない一作です。それでも随所にこの監督らしい緊張感を見て取ることができます。

[IMDB]
nm0116801

[Movie Walker]

[誕生日]
9月22日

[出身]
デンマーク(コペンハーゲン)

[サイズ]
9.0 × 14.0cm

[データ]
Verl. Herm. Leiser, Berlin-Wilm. 3133

リリー・ヤコブソン (Lilly Jacobson 1893–1979) & グンナール・トルナエス (Gunnar Tolnaes 1879–1940)

「国別サインリスト 北欧諸国 [Nordic Countries]」より

1910年代の北欧映画を代表する女優の一人がリリー・ヤコブソンです。優美な雰囲気からお姫様の役柄を多く演じていました。『エクセルシオール号/火星への旅』(1918年)や『マハラジャ最愛の妻』(1917年)の演技は型通りで、これだけならば映画史に記憶されるほどではなかったように思われます。

1910年代末、北欧映画の衰退とともに女優業を引退しようとしていたリリー・ヤコブソンに待ったをかけたのはアスタ・ニールセンでした。

『女ハムレット』(1921年)はシェークスピアの焼き直しではなく、北欧伝説などを加味した独自解釈です。男装のニールセンが倒錯の空気を漂わせる隣でリリー・ヤコブソンはオーフィリアを演じ、淡い恋心が混乱に、狂気に変わり、自死で果てていく難しい役柄に挑戦しています。

写真はグンナール・トルナエスとの共演作『マハラジャ最愛の妻』絵葉書の連名サイン。

リリー・ヤコブソン

[IMDb]
nm0414887

[出身]
スウェーデン(ヨーテボリ)

[誕生日]
6月8日

グンナール・トルナエス

[IMDb]
nm0866184

[出身]
ノルウェー(オスロ)

[誕生日]
12月7日