1923 – 16mm パール・ホワイト主演 『プランダー』 断片(ジョン・ハンプトン・コレクションより)

16mm – Pearl White in Plunder (1923)
lower contrast 2nd negative preview
from the John Hampton Collection

1910年代に一世を風靡したパール・ホワイトでしたが、連続活劇の女王の立ち位置に複雑な思いがあったようです。パテ社との契約を終えた後パラマウント社のドラマ作品に出演を開始。しかし思うように運びませんでした。低迷する人気を前に活劇への復帰を決断、旧知のジョージ・B・サイツを監督に『プランダー』を完成させました。同作は1923年に公開され女王の帰還は好意的に受け入れられます。残念ながら撮影中にスタントマンが事故死する不幸もあり、本作を最後にパールは連続活劇を離れています。

全15章仕立て。完全版はUCLAに保存されているものの全編がソフト化されたことはなく、複数のメーカーが断片をデジタル化するのみにとどまっています。

今回入手した16ミリはリーダー部分に「John E. Hampton」の名前が記されています。

ジョン・ハンプトン氏は1942年に「オールドタイム・ムービー・シアター」を立ち上げた人物で、その無声映画コレクションは個人レベルとして当時最大級のものでした。1988年にUCLAが保存プロジェクトを発案、ハンプトン氏も売却に合意します。この時に基金を立ち上げ資金提供したのがヒューレット・パッカード社のデビッド・パッカード氏だそうです。現在UCLAに保存されている完全版『プランダー』はジョン・ハンプトン氏からデビッド・パッカード氏経由で所有権を移したプリントです。

リーダーには「低コントラスト版の第2ネガより Made from negative #II (lower contrast – second made negative)」の手書き文字。オリジナルのプリントから16ミリの複製を作成する際、条件を変えてコントラストの異なる版が作られ、その際に発生したプレビュー用の断章と推定されます。

[参照]
英ガーディアン紙によるオールド・タイム・ムービー・シアターの紹介
https://www.theguardian.com/film/2000/sep/08/culture.features2
UCLA委託によるジョン・ハンプトン・コレクション目録作成についてブログ記事
http://docsrused.blogspot.com/2013/07/john-hampton-and-silent-movie-theater.html
デビッド・パッカード基金の保存フィルム一覧
https://www.packhum.org/preserved.html

[『プランダー』断章を含むDVD]
2006: Pearl White, Queen of the Serials (Grapevine Video) 数分のプレビュー動画
2008: The Lost Serial Collection (Serial Squadron)

[タイトル]
Plunder

[製作年]
1923年

[IMDB]
tt0014365

[メーカー]
非売品(保存作業時に発生したプレビュー用の第2プリント)

[フォーマット]
16mm (ダブルパーフォレーション) 無声 400フィート

1923 – 9.5mm 『いろり』 (ロベール・ブドリオズ監督)

「9.5ミリ動画 05a 劇映画」より

後に性格俳優として評価を確立していくシャルル・ヴァネル(Charles Vanel)が初めて注目を浴びた長編として知られています。

捨て子として育てられた女性アルレットをめぐり、兄弟の間で奪い合いが始まります。アルレットは弟のジャンに好意を持っていたのですが、養父は芸術家肌のジャンを認めず、兄のベルナールに無理矢理嫁がせてしまうのです。失意のうちに家を出るジャン。しかし夫の暴力に耐えきれなくなったアルレットは手紙でジャンに助けを求めるのでした…

物語は暗めで配役にも華やかさはありません。しかし兄(ヴァネル)、弟(ジャック・ド・フェロディ)、父(モーリス・シュルツ)の三者三様の演技は見応えがあり、田舎の封建的な様子をえぐっていく展開もなかなかで硬派な秀作と見ました。

[タイトル]
L’Atre

[公開年]
1923年

[IMDB]
tt0011901

[メーカー]
仏パテ社

[フォーマット]
9.5mm (ノッチ有) 200m *1リール

1923 – 9.5mm 『奥様にご用心』

「9.5ミリ動画 05a 劇映画」より

顧客の男性から妻の浮気について調査を依頼された興信所が探偵(ポール・パロット)を現場に送り込みます。カメラを手に乗りこんだものの、フラッシュ用の薬品を爆発させてしまい大騒ぎに。後半には鏡を使ったギャグも登場。

[タイトル]
Paul Parrott in « Watch Your Wife »

[原題]
Watch Your Wife

[製作年]
1923年

[IMDB]
tt0433196

[メーカー]
米パテックス社

[カタログ番号]
IC-51

[フォーマット]
9.5mm (ノッチ有) 20m *2リール

アリス・カルホーン、大正12年の直筆はがき Alice Calhoun (1900 – 1966)

復活祭のかわいい絵はがきをありがとう。
思い出してもらえるなんて本当に感激です。
絵はがきとても素敵ですね。
復活祭は楽しく過ごせたでしょうか。
いつでも手紙ください。

親愛なる アリス・カルホーン

Honey,

Many thanks for the lovely Easter card.
It surely was sweet
of you to think of me.
it is very graceful.
Do hope you had a pleasant Easter.
Write when you can.

Lovingly, Alice Calhoun

1920年代初頭からヴァイタグラフ社で活躍していた女優さん、アリス・カルホーンが大正12年(1923年)4月22日に送ったメッセージ入りの絵葉書。ペンシルベニア州在住のメアリー・トンプソンさんに宛てられたもので、イースター(復活祭)の葉書を受け取ったお礼がつづられています。

[IMDB]
nm0129896

[出身]
米国

[生年月日]
11月21日

[コンディション]
B+

イヴェット・アンドレヨール Yvette Andréyor (1891 – 1962)

「フランス [France]」より

Yvette Andreyor 1923 Autographed Postcard
Yvette Andreyor 1923 Autographed Postcard

最初に映画に参加したのはゲオ・ジャナン社の「イヴェット・アンドレヨール主演映画シリーズ」、當時主流だった400メートル程の作品でした。大戦が始まる直前の1914年8月に撮影した5本の映画でシリーズは幕を下ろしました。その後1916年からゴーモン社で多くの脚本を演じました。『ジュデックス』『脱走した女』『他人』『目隠し』 『自由の魂』『十三日の夜』などで、最後の作品は1921年にアンリ・フェスクール監督の下で撮ったものです。『シャントルーヴの城』『ジュディット』に最後もう一つ『モニーク嬢の罪』。これはジャン・トゥールー氏との共演作でバルバザ映画社で撮ったのですが監督はゲオ・ジャナン社時代に知り合った親友のロベール・ペギー氏です。

「イヴェット・アンドレヨール」
モンシネ誌1923年5月3日付63号

Ce fut, pour mes débuts, la série des films Yvette Andreyor chez Janin. Des films d’environs 400 mètres, comme on en faisait à ce moment. Cinq furent tournés avant la guerre aôut 1914, et ce fut la in de la série. Puis, à partir de 1916, je tourné de nombreux scénarios chez Gaumont: Judex, Déserteuse, L’Autre, Le Bandeau sur les Yeux, La Sandorf, La Nuit du Treize. Ce dernier en 1921 pour Fescourt. Chantelouve, Judith, enfin, un autre film, Le Crime de Monique que j’ai tourné avec Toulout pour les films Barbaza et où j’ai trouvé, comme metteur en scène, mon vrai ami Robert Péguy que j’ai connu chez Janin…

Yvette Andreyor
(Mon Ciné, No 63, 3 Mai 1923)

フランスの連続活劇『ジュデックス』(1916年)でヒロインを演じたイヴェット・アンドレヨール(1891 – 1962) のサイン絵葉書。1923年、ミシェル・ドリュエズ(Michel Druesue)氏に宛てた一枚となっています。