昭和14年(1939年)『リボンを結ぶ夫人』 撮影風景(入江たか子、丸山定男、山本薩夫氏)

プロの写真家さんが撮影した写真をまとめたアルバムで、北海道を舞台にした1939年の映画『リボンを結ぶ夫人』の撮影風景、スタッフのバックヤードショットが一部に含まれています。

映画の途中でヒロインは離縁され実家に戻ります。父親が温かく迎え入れ、家の白樺林を売却して娘のために使おうとするのですが、この場面の白樺林を撮影したのが右の写真。

横長の写真に監督の山本薩夫氏。もう一枚は撮影カメラが回っているところ。左に見えるのはドイツ人建築家マックス・ヒンデル氏が設計した鉄板葺の家屋(現存せず)で、戦前の札幌がモダン化している様子も伝わってきます。

和服姿の入江たか子さん。

父親役を演じた丸山定夫氏。戦中は移動演劇桜隊の中心メンバーとして活動、1945年8月に劇団の拠点がある広島で被爆、終戦の翌日に亡くなられています。

『リボンを結ぶ夫人』に関係する写真は以上の7点。他に別のロケで撮影された山田五十鈴さんの写真も含まれていました。

アルバムそのものを北海道から送ってもらったのですが、撮影者さん自身が道在住の方で、スチル写真の撮影で現場に呼ばれた感じではないかと思われます。漁村風景のような日常のスナップにも魅力があります。

1939 – 『山彦呪文』 内務省検閲済台本

表紙には朱で「内務省検閲済台本」と「取扱注意」のハンコあり。表紙を開くと「注意」の題の下、「此台本ハ内務省ノ公文書ニ付キ内部ヲ訂正又ハ汚損セザル様願ヒマス」などの注意書あり。

次ページに「内務省検閲済」のハンコ。

次ページには「注意」として「検閲済ノ »フイルム »又ハ台本ノ内容ヲ加除変更シタルトキハ其ノ検閲ノ効力ヲ失ヒ該当 »フイルム »ノ上映ヲ禁止セラルル虞アルヲ以テ注意セラレ度シ」

作品の要約、配役一覧、台本部と続きますが、全ページに「内務省」の割印があります。

「鳥の傍での発言を堅く禁じてあるのも九官鳥が呪文以外の言葉を覚え込まぬ要心からぢゃ」
「では九官鳥山彦に聞けば百萬両埋蔵の場所がすぐに判ると云ふ譯でござりまするな」

『山彦呪文』は日米開戦の直前に公開された日活の時代劇です。琉球から奪われた百萬両の在りかを知る九官鳥「山彦」をめぐって繰り広げられいきます。