1930年代初頭 9.5mm 個人撮影動画 『かごめかごめ』(自作スキャナー「綺乃九五式」サンプル動画)

「9.5ミリ動画 05b 個人撮影動画」より

Early 1930s 9.5mm Home Movie « Kagome Kagome »
(Kino Type 95 Film Scanner Sampler)

かごめかごめ、かごのなかの鳥は
いついつ出やる 夜明けの晩に
鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?

昭和6年頃に撮影されたと思われる動画。

自宅の中庭で遊んでいる子供4人を父親が撮影した内容です。冒頭は乳母と思われる女性を交えて「かごめかごめ」をしています。その後末っ子のおちびちゃんがカメラを前にポーズを取り始めます。場面は続いて縁側へと移り、兄姉弟が仲良く戯れている様子が映し出されます。大きな飼い犬も登場。最後は再び中庭へと戻って映像が終了。

元々は11本組で入手したフィルムセットのひとつで子供を中心とした動画が他に数本含まれています。その他にも仕事絡みの動画があって、その内容から撮影者が東京帝国大学の朝比奈教授の下で化学/薬草学を学んでいた研究者さんだったと推測できます。

20メートルフィルム/1175フレーム/再生速度11フレーム毎秒
2400×1800の解像度でスキャンを実施、YouTube版は1080×810まで解像度を下げています

「綺乃 九五式」開発記録 00 – 第6回試運転 ベータ版完成

これまでブログ記事として投稿してきた開発記録を別項『「綺乃 九五式」開発記録(2019年8月-)』として独立させ、これまでの記事はそちらに引っ越しさせていただきます。来週からは以前通りのフィルムやサイン物紹介に戻る予定です。

「綺乃 九五式」開発記録 00 – 第5回試運転(ユーザーインターフェイス動作確認)『百萬長者の娘ッ子』 [失敗]

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10月5日のテストを元にユーザーインターフェイスにコードを書き足して動作確認を実施しました。

結果としては失敗、でした。

当初はQTというツールを使用し、パソコン上で動作する操作用のインターフェイスを作る予定でした。パソコンからラズベリーパイ&Arduinoに指示を出しつつ、スキャンされた画像を受け取って保存していく形になるため1)ソケット通信と2)マルチスレッドという二つの技術が必要となってきます。

シングルスレッドのソケット通信は問題なく行えたのですが、マルチスレッド化しつつ様々な要素(カメラ、モーター、通信など)を遠隔コントロールする作業は難易度が高く、相当の時間が必要だと感じました。そのため、ラズベリーパイ上でそのまま起動するシンプルな操作UIを作る方が先決、と舵を切り替えたところです。上の写真はその第一回目のテストとなります。

幾つかあるボタンの中で、「静止画確認」と「スキャン開始」の二つにコードを貼ってあります。

「静止画確認」を押すと単発でスキャンが行われ画面に反映されます。このボタンは機能しました。問題は「スキャン開始」の方。このボタンを押すと自動連続スキャンが始まり画像が外付けハードディスクに保存されます。同時にその画像がやや遅れる形でモニターに反映される形になっています。

実際に試してみたところ、結構な頻度でスキャンが行われず「コマが落ちる」結果になりました。挙動を見ていた感じではラズベリーパイの処理能力が追い付いていないようです。外付けハードディスクに毎秒1枚、1MBを超える画像を保存しているだけでギリギリだったようで、さらにディスプレイへの表示プロセスが加わると処理が追いつかずトリガーを見逃すようです。


ラズパイへの負担軽減に画質は落としていた(640×480)のですが全然十分かなと思います。女優さんの左側、ほぼ黒くなっている辺りにも本来は「何か」が映っていて、以前紹介した「Enfuse」の機能を使うと「見える」ようになります。ちなみに今回テストに使用したのは1919年のジョージ・アーチェインバウド監督作品、『百萬長者の娘ッ子』(A Damsel in Distress)。フィルムがほとんど現存していない女優、ジューン・キャプリスをデジタルの質感で観れたのはなかなか得難い体験でした。

1930年代中頃 – 9.5mm『ニーベルンゲン』& 『メトロポリス』独パテックス社版予告編 (綺乃九五式 第3回試運転)

前回(9月21日)のテスト撮影で気になったのが画面上の光が均質でない点でした。下のスキャンで分かるように4ヶ所明るい部分が発生してしまっています。
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悪さをしているのは光源のLED電球。小型(G4口金)でワット数の小さなLEDは選択肢が少なく、アマゾンで中華メーカーの製品を注文しました。下の様な商品で、先端部分に並列になった黄色の光源が見て取れます。

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樹脂製のディフューザーで光を散らしていたのですが十分ではなかったようです。
1)25ミリ四方のすりガラスを購入して樹脂製のディフューザーに置き換え、
2)ランプハウス部の底面に鏡を置いて光の拡散を図りました。

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光源部のムラが消えているのが分かります。

また、スキャンするフレームによってピントが外れる問題もありました。モーターを回し続けているため撮影の瞬間に振動を拾っている可能性が高いと判断。このためモーターの速度自体をやや早くし、その代りに1.0秒の休止を挟んでその合間に撮影を行うようArduinoのプログラムを修正しています。

9.5mmフィルムらしい質感は捉えていて、画質は飛躍的に改善された気がします。

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しかしモーターを一回転→静止→一回転の形にしたことで別な問題が発生。静止するタイミングでフィルム送りに微妙(ゼロコンマ数ミリレベル)な誤差が出るようで、目立つほどではありませんが前回にはなかった上下のガタつきが出ています。一難去ってまた一難。

映写機回りの方はある程度安定してきたため、最終作業であるインターフェイスの構築にも取り掛かっています。あと半月程度でまとめたいと思っています。

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