戦前の9.5ミリ動画カメラとフィルムを使った実写を試みたのが10月後半。現像まで2カ月かかりました。
練習用のフィルム+カセット(左)を使ってダークバック内で巻きつけた結果(右)
今回使用するロモタンクは本来9.5ミリに対応した機器ではないため調整用に「厚さ2ミリ程度のワッシャー」を挟むと良いとされています。穴径12ミリのワッシャーがなかったので同サイズのスペーサーを3Dプリンタで出力し噛ませることにしました。
午後一で煮沸した水道水(水温20℃)を準備、薬品の調合開始。折角の正月休みにゴーグル+マスク+ゴム手袋+エプロン姿で何をしているのか…鏡に映った自分の姿が笑えます。


必要な薬剤の調合が完了。実際の現像に入っていきます(作業中の写真を撮っている余裕はありませんでした)。現像した結果がこちら。
ぼんやりと何か映っていると面白かったのですが…第二現像に入る前、感光材の層が黄色に残るはずがすでに完全に流れ落ちてしまっている状態でした(下側の縁に黒い線が残っているのはリールの溝にはまって薬品が触れなかった個所)。ベース部は生きても感光乳剤の寿命がきていたのだと思われます。85年前のフィルムなのでしょうがないか…その他の反省事項として:
1)ダークバッグはもっと大きな方が良い(今回使用した中型のバッグだと手狭)
2)ロモタンクは容量が約1.5リットルなので薬品もその量を目安に作る。また薬品保存用ボトルも1リットル用ではなく2リットル用を使う
3)作業の流れをスムーズにするため使用済道具の置き場所も決めておいた方が良い
4) パソコンでタイマーを使おうとしたところ濡れた指先に画面が反応しなかった。濡れたゴム手袋で触る必要があるので防水仕様のアナログタイマーの方が良さそうでした
5)リールに巻きつけた状態だと第二露出での光を満遍なく当てにくい
あとは薬品の温度調整(20±0.5℃)かな。工夫とアイデア次第でもう少し楽になりそう。
今回は初めての経験だったこともあって流れを実体験できればOK程度の緩い感じで進めていきました。実はもう一本、こちらは戦後(といっても1950年代製造)の未開封フィルムが手元にあるのでやり方を見直して年明けに再チャレンジしてみます。